APEC閣僚会議始まる 一致したメッセージ打ち出せるかが焦点

APEC=アジア太平洋経済協力会議の閣僚会議がアメリカのサンフランシスコで始まりました。中国やロシアと、アメリカなどの対立が続く中、日本は脱炭素化への支援などを通じて、域内の持続的な成長に貢献する考えを示す方針です。

APECは太平洋を囲む21の国と地域が参加する経済協力の枠組みで、アメリカのサンフランシスコで14日から始まった閣僚会議には上川外務大臣と西村経済産業大臣が出席しました。

会議では持続的な成長などをテーマに議論が行われ、西村大臣は「多様かつ現実的な道筋によって、温室効果ガスの排出量の実質ゼロを推進することが重要だ」などと述べました。

今回の会議で日本は、脱炭素化への支援やサプライチェーンの強じん化、機能不全に陥っているWTO=世界貿易機関の改革などを呼びかけ、域内の持続的な成長に貢献する考えを示す方針です。

ただ、中国やロシアも参加するAPECの閣僚会議は、ロシアのウクライナ侵攻を非難する文言をめぐる対立からこれまでに開かれた貿易や財務などの分野でも閣僚声明をまとめられておらず、会議で一致したメッセージを打ち出せるかが焦点となります。

米国務長官「インド太平洋地域は自由な経済圏」

14日から始まったAPEC=アジア太平洋経済協力会議の閣僚会議で議長国を務めるアメリカのブリンケン国務長官は会議の冒頭「インド太平洋地域は、方向性やパートナーを自由に選択できる経済圏であり問題がオープンに処理され、ルールが透明かつ公平に適用される地域だと信じている」と述べた上で「世界経済はコロナ禍からまだ立ち直っていない。また気候変動は自然災害を悪化させており、われわれはこの瞬間に正面から立ち向かわなければならない」と呼びかけました。

またアメリカのタイ通商代表は「ぜい弱なサプライチェーンや拡大する不平等、地政学的緊張の高まりなど私たちは、大きな不確実性と困難に直面しているがこの地域が再び強くなることを確信している」と述べました。