北朝鮮“新型ミサイルエンジン 初の地上燃焼実験に成功”

北朝鮮は、新型の中距離弾道ミサイルに使用する固体燃料式エンジンの初めての燃焼実験を、今月11日と14日のあわせて2回実施して成功したと発表しました。北朝鮮は過去に中距離弾道ミサイルの発射実験を日本の上空を通過させる形などで繰り返してきた経緯があり、関係国が警戒を強めています。

15日付けの北朝鮮の朝鮮労働党機関紙「労働新聞」は、新型の中距離弾道ミサイルに使用する、大出力の固体燃料式エンジンが開発され、ミサイル総局が、今月11日に1段目のエンジンの燃焼実験を、14日は2段目のエンジンの燃焼実験を、それぞれ初めて実施して成功したと伝えました。

掲載された2枚の写真では、屋外に水平に取り付けられたエンジンの噴射口から、炎がスカートのように広がり大量の白い煙が吹き出していて、固体燃料式の特徴が確認できます。

ミサイル総局は、日米韓3か国を念頭に「敵の軍事的結託の策動がより悪辣(あくらつ)になる軍事情勢に備えて戦略的攻撃力を向上させる」と強調しました。

北朝鮮は「国防5か年計画」に基づいて、従来の液体燃料式に比べて迅速な発射が可能な固体燃料式の弾道ミサイルの開発に力を入れていて、すでにICBM=大陸間弾道ミサイル級や、短距離の弾道ミサイルについて、固体燃料式への置き換えが進んでいます。

北朝鮮は過去に、液体燃料式の中距離弾道ミサイルの発射実験を、日本の上空を通過させる形などで繰り返してきた経緯があり、新たに制定された今月18日の記念日「ミサイル工業節」を前に関係国が警戒を強めています。

松野官房長官「引き続き情報の収集・分析と警戒監視に全力」

松野官房長官は、午前の記者会見で「北朝鮮は奇襲的な攻撃能力を向上させる観点から固体燃料を使用した弾道ミサイルの開発を進めてきている。今後も各種ミサイルの発射や核実験などさらなる挑発行為に出る可能性があり、政府としては引き続き情報の収集・分析と警戒監視に全力を挙げていく」と述べました。