国連 各国の温室効果ガス削減目標 “不十分 対策強化を”

国連は、各国の温室効果ガスの削減目標を分析した報告書を公表し、世界全体の排出量は2030年に減少に転じる見通しであるものの、気候の破滅的な状況を避けるためには十分ではないとして対策の一層の強化を呼びかけています。

国連の気候変動枠組み条約の事務局は14日、ことし9月下旬までに195の国と地域が掲げた温室効果ガスの削減目標を分析した報告書を公表しました。

それによりますと、世界全体の温室効果ガスの排出量は2030年に、2019年と比べおよそ2%減少する見通しだとしています。

しかし、各国が目指す、気温の上昇を1.5度までに抑えるためには2030年には2019年と比べ43%の削減が必要で、現在の目標では不十分だとしています。

国連のグテーレス事務総長は「報告書は、世界が気候の破滅的な状況を避ける道筋から、大きく外れていることを示している。一歩一歩進むのでは意味がない」と述べ、対策の一層の強化を呼びかけました。

今月30日からは、国連の気候変動対策の会議、COP28がドバイで開かれ、世界全体の削減状況などについて協議する予定で、各国の目標の引き上げにつながるかが焦点となります。