社会

じゃこ天「貧乏くさい」きっかけに秋田 四国の特産品 合同販売

じゃこ天など四国地方の料理について秋田県の佐竹知事が「貧乏くさい」と発言し、その後、謝罪した騒動からおよそ3週間。

秋田と四国4県の関係者が集まり販売したのは、それぞれの特産品を詰め合わせた、その名も「なかよしセット」です。

いったい何が?これまでの経緯や販売会の様子をまとめました。

「あんまり、気にされんでください」

秋田県の佐竹知事の発言がきっかけとなり、15日都内で、秋田県と四国4県が合同で特産品の販売会を行いました。

合同の販売会には秋田県の佐竹知事のほか愛媛県の中村知事や徳島県の後藤田知事など各県の関係者およそ30人が参加しました。

はじめに佐竹知事が「本当に申し訳なく思っています。四国の方々の寛大な気持ちに対し、恥じ入ってる次第です」と述べて、一連の発言を改めて謝罪しました。

これに対し、中村知事は「あんまり、気にされんでください。お互いの宣伝ができて“結果よし”と考えています」と笑顔で答えていました。

会場にはじゃこ天やきりたんぽなど、四国と秋田の特産品を詰め合わせた「なかよしセット」が50袋用意されましたが、販売が始まる前に行列ができて、すぐに完売していました。

各県の知事らは観光パンフレットも配布しそれぞれの県の魅力を一緒にPRしていました。

佐竹知事は「反省しつつ、感謝申し上げたい。これから自分を律しながら四国4県と協力して盛り上げていきたい」と話していました。

「なかよしセット」中身は?

秋田県と四国4県が販売した「なかよしセット」は、各県の特産品の詰め合わせで50セットが3500円で販売されました。

▼秋田県「きりたんぽ・だまこ鍋」
▼愛媛県「じゃこ天」
▼徳島県「徳島ラーメン」
▼高知県「ゆずのぽん酢醤油」
▼香川県「オリーブ新漬け」

雨降って地固まる?

即完売してしまった「なかよしセット」を購入しようと会場を訪れた人に話を聞きました。

祖父が秋田県出身の40代男性
「(知事の発言は)まずかったのかなとは思いましたが『雨降って地固まる』でもないですが、丸く収まってくれるのかなと思います。四国は自然豊かでいいとこだなと思っていたので、今回をきっかけにさらに四国に行って魅力に触れて行ければと思います。『なかよしセット』は四国のお酒と一緒にしみじみ味わいます」

愛媛県出身の都内の大学生
「『なかよしセット』は買えませんでした。15分くらいで売り切れたと聞きました。買えると思っていたのでびっくりです。一度きりたんぽ鍋を食べてみたかったです…。秋田には行ったことはありませんでしたが、いろいろ調べてきりたんぽが食べたくなりました。また、秋田以外の県も、いいところを見つけて味わったり食べてみたいと思うようになりました」

じゃこ天の販売は約2倍に

東京・港区にある愛媛県と香川県のアンテナショップでは、15種類のじゃこ天が販売されていますが、入荷してもすぐに売り切れる状態が続いています。

愛媛県によりますと、このアンテナショップで先月(10月)15日から21日までの1週間に販売したじゃこ天は420個でしたが、先週1週間(11月5日~11日)は841個とおよそ2倍に増えているということです。

愛媛県東京事務所は「アンテナショップや東京事務所にも秋田県出身の方から謝罪のことばとともに『じゃこ天はどこで買えるか』などの問い合わせが寄せられており、認知度の高まりを感じます」と話していました。

これまでの経緯は

この騒動をめぐる、主な出来事や発言をまとめました。

《10月23日》
秋田県の佐竹知事が、秋田市内で行った講演で四国地方の料理について「メインディッシュが鉄板で、誰が考えてもステーキです。ふたを開けたらじゃこ天です。貧乏くさいんです」などと述べました。

高知で「どろめ」と呼ばれるイワシの稚魚についても「うまくないやつ」と述べました。

《10月25日》
SNSなどで批判の声が上がり、佐竹知事が臨時の記者会見を開いて謝罪しました。

これに対し四国の各県は。

愛媛県
「秋田県の料理を褒めるためにユーモアを交えて発言されたのではないかと思う。愛媛にはおいしい食べ物や地酒がたくさんあるので、是非またお越しになってご堪能いただきたい」

高知県知事
「秋田のきりたんぽもハタハタも大好きなので、秋田の皆さんに私からのメッセージとしてお伝えしたい。これを機会に高知のどろめや酒がどんなものか、全国の人が高知に来て味を確かめてもらうチャンスをいただいたと前向きに捉えたい」

香川県知事
「私から申し上げることはないが、香川県のすばらしい県産の素材を使った料理やお酒について、これからもさまざまな機会を捉えてPRに努めたい」

徳島県知事
「すべての都道府県とともにいいところをたたえ合って日本を発信していきたい。今後、秋田県とも理解を深めコラボできることを期待している」

《10月下旬》
愛媛県内でじゃこ天を製造・販売する店舗には、秋田県からの注文が急増しました。松山市内の店舗では、通販サイトの秋田県からの注文が急増し、31日までに100件にのぼりました。
県民からの謝罪のメッセージも寄せられました。

高知県知事が定例会見で佐竹知事から「わび状」が届いたことを明らかにしました。

《11月6日》
秋田県知事が定例会見でじゃこ天の注文が秋田県や愛媛県で増えていることについて「私の発言でじゃこ天が売れなくなるということにはならず、ほっとしている」と述べました。

《11月12日》
サッカーJ2、ブラウブリッツ秋田のホーム戦の会場で、じゃこ天300個が販売され、わずか1時間ほどで売り切れました。

《11月13日》
秋田県の佐竹知事が徳島県と愛媛県の東京事務所を訪れ、徳島県知事と愛媛県の副知事に謝罪しました。

5県で手を取り合って

「これで、手打ちということで…よろしいでしょうか」

報道陣からそんなことばをかけられて、笑顔で手を取り合った知事ら5県の関係者。販売会の中でもお互いの県の特産品をたたえあう姿がありました。

16日からは名古屋市での合同販売会も予定されているということです。

最新の主要ニュース7本

一覧

データを読み込み中...
データの読み込みに失敗しました。

特集

一覧

データを読み込み中...
データの読み込みに失敗しました。

スペシャルコンテンツ

一覧

データを読み込み中...
データの読み込みに失敗しました。

ソーシャルランキング

一覧

この2時間のツイートが多い記事です

データを読み込み中...
データの読み込みに失敗しました。

アクセスランキング

一覧

この24時間に多く読まれている記事です

データを読み込み中...
データの読み込みに失敗しました。