正力松太郎賞に阪神 岡田監督 特別賞に栗山氏と大谷選手

ことしのプロ野球に最も貢献した人に贈られる「正力松太郎賞」に、阪神を38年ぶりの日本一に導いた岡田彰布監督が初めて選ばれました。また、特別賞には、ことし3月に行われた野球のWBC=ワールド・ベースボール・クラシックで日本を3大会ぶりの優勝に導いた栗山英樹前監督と、大リーグで日本選手として初めてホームラン王のタイトルを獲得した大谷翔平選手の、2人が選ばれました。

「正力松太郎賞」は、プロ野球の創設と発展に力を尽くした故・正力松太郎氏をたたえ、毎年、プロ野球に最も貢献した監督や選手などに贈られています。

14日は都内で選考委員会が行われ、チームを18年ぶりのセ・リーグ制覇と38年ぶりの日本一に導いた阪神の岡田監督が初めて選ばれました。

選考委員会では、フォアボールを重視した野球を選手に徹底させ、選んだフォアボールの数は12球団最多の494個に上ったほか、緻密な守備力で粘り強く試合を勝ち抜いた手腕と、関西対決となった日本シリーズを制して野球ファンを盛り上げたことを評価したということです。

また、ことしは、
▽WBCで日本を3大会ぶりの優勝に導いた栗山前監督と、
▽大リーグでホームラン44本を打ち、日本選手としてもアジア出身の選手としても大リーグ史上初めてホームラン王のタイトルを獲得した大谷選手が、特別賞に選ばれました。

2人同時に特別賞を受賞するのは、おととしに、大谷選手と、東京オリンピックの野球で監督として金メダル獲得に導いた稲葉篤紀さんが選ばれて以来、2回目となりました。

栗山氏「こんなに幸せなことはない」

正力松太郎賞の特別賞を受賞した栗山英樹前監督は「栄誉ある賞をいただき、こんなに幸せなことはありません。一緒に戦った選手とスタッフ、すべての人に感謝いたします。ダルビッシュ有投手や吉田正尚選手、そしてともに今回受賞した大谷翔平選手らメジャーの選手が、大変なスケジュールの中で尽力してくれたこともあり、多くの人に感動を与えることができたのであればうれしいです。これからも日本野球の発展のために力を尽くしていきます」とコメントを発表しました。

大谷選手「栗山監督と受賞できてうれしい」

正力松太郎賞の特別賞を受賞した大谷翔平選手は、「今シーズンの成績と、WBCの優勝も評価いただき、2年ぶり2度目の正力松太郎賞の特別賞を受賞できて光栄です。ファイターズと日本代表でご一緒した栗山監督と受賞できたのも、うれしく思います。来シーズンも引き続き応援をよろしくお願いします」とコメントを発表しました。

選考委 山本浩二さん「岡田監督 緻密さを感じる野球」

体調不良により大事をとって欠席した王貞治さんの代理で座長を務めた、選考委員会の山本浩二さんは、「阪神の岡田監督は、現役時代の豪快なバッティングのイメージがあるが、フォアボールを重視して相手ピッチャーに球数を投げさせて1点差のゲームを勝ちきるなど、内野手出身の監督として1年を通して緻密さを感じる野球をしていた」と評価していました。