11月14日の「埼玉県民の日」
埼玉県内の公立の学校は休みとなり、さまざまな催しが行われました。
埼玉県庁には映画「翔んで埼玉」で主演を務める二階堂ふみさんと、GACKTさんが訪れ、大野知事とのトークショーも開かれました。
「県民の日」あなたの地域にはありますか?
きょう11月14日は「埼玉県民の日」。
埼玉のことを徹底的にこき下ろすことで話題となったあの映画の出演者たちが埼玉に集いました。
そういえば、都道府県の日って他の自治体ではどうなっているのでしょうか。
なぜこの日に?どんな特典が?47都道府県に聞いてみました。
「今後は埼玉をディスらないで」
「今後は埼玉をディスらないようお願いします」
大野知事が念を押して始まったトークショーではGACKTさんが「埼玉県のどこにいい場所があるのか教えてほしいですね」と会場に投げかけました。
参加した人たちが「川越市」とか「行田市」と答えると、「行田市には何もないですね」などと精いっぱいこきおろし、会場は大きな笑い声に包まれていました。
二階堂さんは埼玉県の魅力的な場所として秩父市をあげ、「日帰りで行ったこともありますし母と一緒に旅行に行ったこともあります。秩父市にたたずんでいる私に出会うことができるかもしれません」と話していました。
最後に会場に集まった人たちと一緒に県の鳥「シラコバト」などを表す「埼玉ポーズ」をして埼玉の魅力をPRしていました。
県職員も知らない「大分県民の日」?
きょう11月14日。
SNSに「埼玉県民の日」とともに、名前があがっていたのが「大分県民の日」です。
早速大分県に問い合わせると…
大分県広報課
「現在、県内で正式に条例で定められた県民の日はありません。過去に協議会が県民の日を定めて、その日にちなんでイベントなどを行っていたことはありましたが…」
県として定めた日ではないようです。
大分県民の日のかつての盛り上がりについて尋ねると…
大分県広報課
「かつて県内にあった協議会が、県民運動の一環として、県の誕生日にちなんで作ったものだと思われるが、具体的な策定時期などについては分かりません。協議会の解散に伴って『大分県民の日』の存在も薄くなっていったのではないでしょうか」
県の担当者も詳しく把握していない「大分県民の日」
かつての県の資料には、昭和51年から平成12年までは「大分県民の日」に合わせて、「ふるさと祭り」が開かれていたという記録がありました。
和太鼓の演奏などもあり、1万人が来場した時期もあったそうです。
しかしその後、協議会が消えゆくとともに、県の職員にも知られない普通の一日になっていました。
初めての“県民の日”を迎えるところも
県民の日、実は今も増え続けているんです。
ことし、初めて県民の日を迎えるのが愛知県。
去年、県政150周年を迎えたことをきっかけに、誇りや愛着を持ってもらおうと、廃藩置県により愛知県が誕生した11月27日を「あいち県民の日」としました。
さらに、県民の日を含む1週間は「あいちウィーク」にするといいます。そのねらいはイベントの集客です。
県民の日が1日だけだと、平日に当たってしまう可能性があるため、幅を持たせることで、イベントの集客を図ろうというのです。
「あいちウィーク」には、県や市町村の施設の一部が無料で開放されるほか、県民の日に力を入れている埼玉県を参考に、多くの民間事業者にも協力してもらいセールやキャンペーンなどが実施される予定です。
“学校ホリデー”って?
さらに愛知県では「あいちウィーク」の期間中、どこか1日を学校や市町村が選んで休校にするという、「県民の日学校ホリデー」もことしから始めます。
休みをそれぞれ選ぶことで、子どもたちの休みが分散され、旅館やテーマパークなどの混雑を避けるねらいです。
23日が勤労感謝の日で祝日のため、ことしは多くの学校が24日を休校にして、4連休にしているということです。
都道府県の日 制定は19都道県
埼玉県と同じように都道府県民の日を制定している自治体はどれくらいあるのでしょうか?
各都道府県に取材したところ、「ある」と回答したのは19の都道県でした。
郷土の理解を深めたり、愛着をもってもらう機会にしたいとしています。
最多は廃藩置県で誕生した日
制定した日の理由として、最も多かったのが明治4年の廃藩置県によって県が誕生した日や、その後に県が合併しておおむね現在の形になった日にあわせたなどと回答したのが埼玉県や福島県、栃木県など14県でした。
このほか、北海道では名付け親とされる松浦武四郎が明治政府に対して名称を提案した日、群馬県では名称が初めて使われた日に制定したということです。
“県民の日”学校休みは7都県
都道府県民の日に実施していることを聞いたところ、博物館や体育施設など公共施設を無料や割引で利用できるようにしていると回答したのが、福島県や鳥取県など17の道と県でした。
このほかにも北海道では、民間企業と連携して施設利用で割引になるクーポンを発行していました。
学校が休みになると答えたのは、茨城県、群馬県、千葉県、東京都、愛知県、埼玉県、山梨県の7つの都と県で、公立の小中学校や高校を休校にしているところもあるということです。
全国の都道府県の日 まとめ
全国の「都道府県民の日」をまとめました。
《北海道》(7月17日)
「北海道」の名付け親として知られる松浦武四郎が明治2年(1869年)政府に「北加伊道」という名を提案した日として制定。
道立の施設が無料で利用できる。
《東北》
秋田県(8月29日)
廃藩置県で「秋田県」が誕生した日として。
県立の施設が無料で利用できる。
福島県(8月21日)
今の「福島県」が誕生した日として。
県立の施設が無料で利用できる。
《関東》
茨城県(11月13日)
今の「茨城県」が誕生した日として。
県立施設を無料で利用。
学校の多くも休みに。
栃木県(6月15日)
当時の「栃木県」と「宇都宮県」が合併し、ほぼ今の「栃木県」が誕生した日として。
県立の施設が無料で利用できる。
給食で特別メニューも。
群馬県(10月28日)
初めて「群馬県」の名称が使われた日として。
県立のほか、民間施設の一部が無料。
県立の高校大学が休みに。
埼玉県(11月14日)
廃藩置県で今の「埼玉県」が誕生した日として。
公立の学校が休みに。
各地でイベントも。
千葉県(6月15日)
今の千葉県が誕生した日として制定。
県立の施設で無料や割引。
学校や自治体も一部休みに。
東京都(10月1日)
明治31年のこの日、「東京市」が誕生し市役所も開設。
都立の施設が無料。
学校も休みに。
《東海・北信越》
富山県(5月9日)
隣の石川県から分かれることが、国に認められた日のことから。
県の施設が無料で利用できる。
福井県(2月7日)
廃藩置県で今の「福井県」が誕生したため。
県や市の施設が無料に。
例年は「ふるさと給食」も。
山梨県(11月20日)
今の「山梨県」が誕生した日として。
県の施設が無料で利用。
小中学校なども休み。
静岡県(8月21日)
浜松県と静岡県が合併し、ほぼ現在の静岡県になった日として。
県の施設が無料で利用。
県や民間事業者などがイベントも。
愛知県(11月27日)
廃藩置県で愛知県が誕生した日として。
県や市の施設が無料で利用。
直前1週間の1日を、学校などが選んで休みに。
三重県(4月18日)
廃藩置県で2つの県が統合して、今の「三重県」が誕生したため。
自治体がPRなど。
《近畿》
和歌山県(11月22日)
紀州3県が統合し、今の「和歌山県」が誕生したため。
県の施設を無料で解放。
《中国》
鳥取県(9月12日)
今の「鳥取県」が誕生した日として。
県の施設を無料で解放。
《四国》
愛媛県(2月20日)
今の「愛媛県」が誕生した日として。
県内の功労者が知事から表彰。
《九州》
鹿児島県(7月14日)
廃藩置県で今の「鹿児島県」が誕生した日として。
県の一部の施設が無料に。
今年度からは一部の施設が青くライトアップされたり、学校では体験型の授業も。