プール熱 3週連続で過去10年最多を更新 国立感染症研究所

11月5日までの1週間に全国から報告された咽頭結膜熱=いわゆるプール熱の患者数は、前の週からさらに増加し、過去10年間で最も多い状態が続いています。また、発熱やのどの痛みなどの症状が出る「溶連菌感染症」の一種の感染者も増加傾向で、専門家は「人が集まるところではマスクをするといった対策をしてほしい」と話しています。

11道府県で国の警報レベルの目安「3人」を超える

咽頭結膜熱は、子どもを中心に高熱や結膜炎などの症状が出るウイルス性の感染症で、
▽せきやくしゃみなどの飛まつで感染するほか
▽ウイルスが付着したタオルや
▽プールでの接触などを介しても感染します。

国立感染症研究所によりますと、11月5日までの1週間に全国およそ3000の小児科の医療機関から報告された患者数は7718人で、前の週から83人増えました。

1医療機関当たりでは2.45人で、前の週を0.02人上回り、過去10年間で最も多くなりました。

都道府県別に見ますと、
▽福岡県が6.51人
▽奈良県が5.62人
▽佐賀県が4.74人
▽沖縄県が4.65人
▽北海道が4.02人
▽富山県が3.9人
▽三重県が3.51人
▽長崎県が3.41人
▽福井県が3.32人
▽大阪府が3.31人
▽京都府が3.04人と
11の道府県で国の警報レベルの目安となる「3」人を超えています。

溶連菌感染症の一種も過去10年で最多

このほか、主に子どもが感染し、発熱やのどの痛みなどの症状が出る「溶連菌感染症」の一種、A群溶血性レンサ球菌咽頭炎の感染者も増加傾向です。

例年は冬から初夏にかけて患者が増えますが、ことしは11月5日までの1週間で報告された患者数が9568人、1医療機関当たりでは3.04人と、過去10年間の同じ時期で最も多くなっています。

専門家 “寒くなると感染症が増加 マスクなどの対策を”

子どもの感染症に詳しい 国立病院機構三重病院 谷口清州院長
「冬になり気温が下がると、免疫の反応が落ちのどなどの感染症が増えてくる。人が集まるところではマスクを着用する、換気を十分に行うといった対策をしてほしい」