英キャメロン元首相が外相に 首相経験者 閣僚再起用は53年ぶり

イギリスのスナク首相は13日内閣改造を行い、キャメロン元首相を新たな外相に起用しました。首相経験者が閣僚に再び起用されるのは53年ぶりです。

イギリスのスナク首相は、イスラエル軍のガザ地区への軍事作戦に反対する抗議デモを「ヘイトマーチだ」などと批判したブレーバーマン内相を13日更迭し、後任の内相にクレバリー外相をあてました。

これに伴い、新たな外相には2010年から16年まで首相を務めたキャメロン氏を起用しました。

キャメロン氏は、2016年に行われた国民投票でEU=ヨーロッパ連合からの離脱が決まったことを受けて辞任し、政界から離れていました。

首相経験者が閣僚に再び起用されるのは53年ぶりです。

今回の起用を受けてキャメロン氏は「ウクライナでの戦争や中東の危機など世界的に深刻な課題に直面している今、同盟国を支え、パートナーシップを強化し、私たちの声を届けることが重要だ」という声明を発表しました。

現地メディアは、スナク首相としては経験豊富で知名度が高いキャメロン氏の起用で、保守党の中道派の支持を集めたい狙いがあるなどという分析を伝えています。

ただキャメロン氏は、首相時代に中国との経済的な関係の強化を重視したことから、中国に対して強硬姿勢をとるスナク政権の外交を主導できるのか、疑問の声も出ていて、起用が政権浮揚につながるかは不透明です。