【衛星画像】ガザ最大 シファ病院 1500人避難か 現地の状況は

危機的状況に陥っているガザ地区最大のシファ病院では、今も1500人に上る人が避難しているとみられています。NHKがアメリカの企業「プラネット」から入手した衛星画像からその様子が見えてきました。

それによりますと、イスラム組織ハマスが奇襲攻撃を行った翌日の先月8日時点の衛星画像では、シファ病院の敷地内には駐車場などに使われている空き地が見えます。

しかし、今月10日に撮影された画像では、そういったスペースに白っぽいテントのようなものが密集するように並べられ、病院は安全な場所だと考える多くの人が避難しているとみられます。

WHO=世界保健機関は地元の保健当局から12日に受け取った情報として、シファ病院に
▽入院患者は、600人から650人、
▽医療従事者は、200人から500人、
そして、
▽避難者がおよそ1500人、今もとどまっているとしています。

また、人工衛星を運用するアメリカの企業「マクサー・テクノロジーズ」が公開した今月11日の衛星画像からは病院の近くで白い煙のようなものが上がっている様子が確認できます。

国際NGOの「国境なき医師団」は11日、「シファ病院への攻撃は劇的に激しくなっている。病院にいるスタッフから内部が壊滅的な状況だという報告があった」とSNSに投稿していて、画像で確認できる煙のようなものは、こうした攻撃によるものの可能性があります。

一方、ガザ地区を南北に縦断する幹線道路でイスラエル軍が退避経路に指定したサラハディン通りを今月7日に撮影した画像からは、多くの人たちが列をなして南部を目指して退避しているとみられる様子がうかがえます。

ただ、避難者が歩く通りのすぐ近くにある複数の建物が完全に破壊されているのも確認でき、退避の際にも危険にさらされている可能性もあります。

南部のラファに避難してきた人は10日、「ガザ市から歩いてきた。歩いているときも攻撃された」と話しています。