東北 北海道知事 クマ捕獲費用の支援要望 被害過去最悪で

クマによる被害が過去最悪となる中、東北や北海道の知事が国に対しクマの捕獲にかかる費用への財政的・技術的な支援を求めました。

13日、岩手県の達増知事や北海道の鈴木知事が環境省を訪れ、伊藤大臣にクマ被害防止のための緊急の要望書を手渡しました。

ことし4月から先月までのクマによる被害は全国で180人と過去最悪となり、このうち東北地方での被害は7割を占めています。

要望は北海道東北地方知事会の8つの道県の知事の連名で、住民の安全確保のためにクマの生息調査や出没の抑制対策が必要で、財源の確保や専門性の高い抑制手法の確立が喫緊の課題だとしています。

その上で、クマをイノシシなどと同様に「指定管理鳥獣」として交付金の対象にするなど、クマの出没対策にかかる財政的・技術的な新たな支援制度を設けるよう要望しています。

また、クマの捕獲について一部非難の声が寄せられ、地域の安全確保に重大な支障を及ぼしかねないとして、国も捕獲の必要性などについて情報発信をしてほしいとしています。

要望に対し伊藤大臣は「地域ごとの必要性に応じて、速やかに支援していきたい」と述べました。

要望のあと、岩手県の達増知事は「クマへの対応は新たな局面に入っている。要望を重く受け止めてもらえたので、国と連携しながら対策を進めていきたい」と話していました。

松野官房長官 “環境省で知見の収集を開始”

松野官房長官は午後の記者会見で「『指定管理鳥獣』へ指定するかどうかについて、最新の生息状況などのエビデンスを整理し、専門家の意見を聞きながら科学的知見に基づき判断する方針で、環境省で知見の収集を開始したと聞いている」と述べました。

その上で「クマ類による被害の深刻化を踏まえ、出没が増加している地域への緊急支援を行うため、令和5年度補正予算案で都道府県の調査などを支援する予算を盛り込む方針だ」と述べました。