警察庁が「サイバー保険」扱う損害保険会社と初の協定締結

企業がサイバー攻撃を受けた際に速やかに警察に相談してもらおうと、警察庁は企業などを対象にした「サイバー保険」を扱う損害保険会社と初めて協定を結びました。

協定を結んだのは、警察庁と「あいおいニッセイ同和損害保険」です。

警察庁によりますと、ことし6月までの半年間に、サイバー攻撃に関係するとみられる不審な通信は一日当たりおよそ8200件と、これまでで最も多くなっています。

サイバー攻撃を受けた企業が、警察への通報をためらって時間が経過してしまうと、通信履歴がたどりにくくなるため今回、サイバー攻撃を受けた際にシステムの復旧費用などを補償する「サイバー保険」を扱う損害保険会社と連携することにしました。

協定によって、サイバー攻撃の手口を企業に伝えて被害の未然防止に役立ててもらうほか、企業がサイバー攻撃を受けた際には、速やかに警察に相談や通報するよう促してもらうことで、迅速な捜査につなげたいとしています。

警察庁の河原淳平サイバー警察局長は「被害の潜在化の防止やサイバーセキュリティーへの対策が推進されることを期待している。警察として通報や相談しやすい環境を整備して、サイバー空間の安心安全を確保していきたい」と話していました。