政治

神田財務副大臣 更迭 後任に赤澤亮正元内閣府副大臣の起用決定

過去に税金を滞納していた神田財務副大臣の更迭を受けて、政府は、後任に自民党の赤澤亮正元内閣府副大臣を起用することを決めました。

税理士資格を持つ神田財務副大臣は週刊誌報道を受けて、自身が代表取締役を務める会社の土地や建物が税金の滞納により4度差し押さえを受けたことを国会で明らかにし、陳謝しました。

これに対し、野党からは辞任を求める声が相次ぎ、与党からも国会審議への影響を懸念する見方が出ていました。

こうした中、岸田総理大臣は、国会審議を停滞させてはならないとして神田副大臣を更迭する意向を固め、神田副大臣は辞表を提出しました。

そして、政府は13日昼ごろ、持ち回りで閣議を開き、神田副大臣の辞任を決めました。

後任の財務副大臣に、政府は13日夕方、持ち回りの閣議で自民党の赤澤亮正元内閣府副大臣を起用することを決めました。

赤澤氏は、衆議院鳥取2区選出の当選6回で62歳。

国土交通省の企画官などを経て、平成17年の衆議院選挙で初当選し、これまでに内閣府副大臣や国土交通政務官などを歴任しました。

岸田内閣では先月、法務副大臣と文部科学政務官が相次いで辞任していて、神田氏が辞めたことで、今の国会で3人の政務三役が交代することになりました。

神田財務副大臣「国会に迷惑をおかけすることを避けたい」

財務副大臣を辞任した神田憲次衆議院議員は、13日午後3時半ごろ、財務省で記者団に対し、「現下の経済情勢、それから、これから国会にとって大事な補正予算の審議が始まる。国民生活にとって重要な補正予算でいま私の問題でこれから先、国会の審議に影響を及ぼすことは避けたい。そしてこの問題が大事な国会にご迷惑をおかけすることを避けたいと思い、きょう鈴木大臣あてに辞表を提出した」と述べました。

そのうえで「これから先政治家として説明責任を果たしていきたい。参議院などから資料の請求があった過去の滞納税金に関するところについてはご説明させていただいている。皆さんには大変ご迷惑をおかけしたことをおわびする」と述べました。

後任に起用 赤澤亮正財務副大臣「しっかり仕事をしたい」

辞任した神田財務副大臣の後任に起用された赤澤亮正財務副大臣は、総理大臣官邸で記者団に対し「大変やりがいがある仕事と思っている。重要な使命を受けてしっかり仕事をしたい」と述べました。

記者団から「総理からことばはあったか」と問われたのに対し、赤澤副大臣は「まさに今、国会開会中なので、しっかり身を引き締めてやってほしいということだった」と述べました。

=政府・与野党の反応=

岸田首相「任命責任重く受け止める 国民におわび」

岸田総理大臣は13日夜、総理大臣官邸で記者団に対し「任命責任については重く受け止めている。政府一丸となって、より一層緊張感を持って職務にあたることにより、国民の信頼を回復すべく努力をしていかなければならないと強く感じている」と述べました。

また「9月の内閣改造から2か月間での副大臣らの相次ぐ辞任で、人事は適材適所だったと言えるのか」と問われ「人事は適材適所で行われなければならないものだと思っている。ただ政治は結果責任だ。財務副大臣が着任してから間を置かずして辞任に至ったことについて、国民におわびを申し上げなければならないと思っている」と陳謝しました。

鈴木財務相「大変重く受け止めている」

鈴木財務大臣は13日夕方、財務省で記者団の取材に応じ、「きょう昼すぎに私に辞表が提出された。補正予算案や法案の審議に決して影響を与えることになってはならないという理由だった。大変、重く受け止めているし、国民の皆さんの批判もある。財務省としては、今後とも緊張感を持って仕事を進めていかなければならないと思っている」と述べました。

松野官房長官「重く受け止め信頼回復へ全力で取り組む」

松野官房長官は午後の記者会見で「神田氏から『これ以上、国会審議に迷惑をかけることはできないため、職を辞したい』との申し出があり、内閣として承認した。文部科学政務官、法務副大臣に続く今回の辞任を重く受け止め、国民の信頼を回復できるよう、足元の課題に全力で取り組んでいきたい」と述べました。

また神田氏の説明責任について「今後も政治家として、本人が引き続きしっかりと説明責任を果たしていくことが重要だ」と述べました。

一方「政府は一連の人事について『適材適所』と言ってきたが、辞任が相次いだ今もそう考えているか」と問われ「さまざまな指摘や批判があることは率直に受け止めている。結果として辞任が続いたことは遺憾であり、重く受け止めている」と述べました。

自民 茂木幹事長「批判は謙虚に受け止める」

自民党の茂木幹事長は、大阪市で開かれた会合であいさつし「物価高の問題もあり内閣支持率は低下しているが、さらに政務三役が相次いで辞任する事態になった。批判は謙虚に受け止め、反省すべきは反省し、もう1回、国民の信頼を回復する努力を続けていきたい」と述べました。

立民 泉代表「任命責任も問われる」

立憲民主党の泉代表は記者団に対し「辞任は当然だが、遅すぎる。不注意では済まされず、議員も辞職すべきだ。相次ぐ政務三役の辞任は異常事態で、全く適材適所ではなく、岸田総理大臣の任命責任も問われる。政権基盤の弱体化を嫌がったことが、辞任の遅れにつながったのではないか。保身や政局を優先し、国民を見ていないことが明らかになった」と述べました。

その上で「補正予算案の審議に入る前に、なぜここまで更迭が遅れたのか、就任以前にどのような検査をしてきたのか、岸田総理大臣はみずから語るべきだ。審議の中でも、しっかり説明をしてもらわなければならない」と述べました。

維新 藤田幹事長「辞任は当然 遅すぎる」

日本維新の会の藤田幹事長はNHKの取材に対し「国民に納税をお願いする立場の財務副大臣が、税金の滞納や差し押さえを繰り返していたのは、国民の信頼を著しく逸する行為で、信じられないことだ。辞任は当然のことで遅すぎるくらいだ」と述べました。

公明 山口代表「襟を正して出直してまいりたい」

公明党の山口代表は大阪市で開かれた党の会合であいさつし「しっかり政権の安定を図らなければならず、せっかく任命された内閣の重要なメンバーが不信を買うようではいけない。政府に送り出す側も選ぶ側も、国民の信頼を確保して応えられるよう襟を正して出直してまいりたい」と述べました。

共産 小池書記局長「岸田政権のずさんな政権運営の象徴」

共産党の小池書記局長は記者団に対し「辞任は当然だが、事態が明らかになってから、ここまで引き延ばした岸田総理大臣の責任は重大だ。単なる税の滞納ではなく、差し押さえまで受けている人物を財務省の副大臣に据えてきたのは、根本的に任命責任が問われる。岸田政権のずさんな政権運営の象徴と言えるのではないか。退陣を求めていきたい」と述べました。

国民 玉木代表「適材適所はもう崩れた」

国民民主党の玉木代表は記者団に対し「財務省の副大臣が税金を滞納し、差し押さえまで受けていたのであれば、税務行政をつかさどる資格はなく、辞任は当然で、判断が遅いと言わざるをえない。政務三役の相次ぐ辞任で、適材適所はもう崩れた。落ち着いて建設的な議論ができる環境を、政府・与党の責任で整えてもらいたい」と述べました。

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