東京 渋谷区で行われたパラバドミントンの国際大会は来年のパリパラリンピックの出場権をかけた選考レースの対象大会で、大会最終日の12日は各種目の決勝が行われました。
このうち、男子シングルスの車いすのクラスは東京パラリンピックの金メダリストで世界1位の21歳、梶原選手が世界3位で香港の陳浩源選手と対戦しました。
梶原選手は持ち味のチェアワークで粘り強くシャトルを拾い、スマッシュやコート手前に落とすヘアピンなど多彩なショットで攻めて21対15で第1ゲームを取りました。
第2ゲームは一進一退の攻防となりましたが、終盤の勝負どころで梶原選手が強化してきた後方からコート手前に落とすショットが決まるなど21対15で取ってゲームカウント2対0のストレート勝ちで初優勝を果たしました。
梶原選手は東京パラリンピックから続く公式戦の連勝を93に伸ばしました。
パラバドミントン国際大会 車いすシングルス 梶原と里見が優勝
パラバドミントンの国際大会は各種目の決勝が行われ、シングルスの車いすのクラスはともに東京パラリンピックの金メダリストで世界ランキング1位の梶原大暉選手と里見紗李奈選手が優勝を果たしました。
男子シングルス 車いすのクラス 梶原が初優勝
女子シングルス 車いすのクラス 里見が優勝
女子シングルスの車いすのクラスは東京パラリンピックの金メダリストで世界1位の里見選手が世界13位で中国の尹夢※ロ選手と対戦しました。
里見選手は第1ゲームの序盤からシャトルをコートの奥まで飛ばす力強いショットと手前に落とす緩急を生かしたコンビネーションでポイントを重ね、21対11で取りました。
第2ゲームは一時リードを許しましたが、力強いスマッシュを決めるなど積極的に攻めて逆転し、21対19で取ってストレート勝ちで優勝を果たしました。
このほか日本勢は
▽女子シングルスの足に障害のあるクラスの藤野遼選手と
▽男子ダブルスの車いすのクラスの松本卓巳選手と西村啓汰選手のペアは、それぞれ敗れ、準優勝でした。
※ロは王へんに路
梶原「ダブルスでも初優勝を目指す」
男子シングルスの車いすのクラスで優勝した梶原大暉選手は「日本の皆さんに見てもらっている前で優勝できてよかったし、安心しました。決勝の相手と前回対戦したときには攻めすぎて疲れてしまった反省があり、今回は攻め急がないプランだった。冷静な試合運びができた」と落ち着いた表情で振り返りました。
そのうえで、今後に向けて「負けたくない。来年2月の世界選手権はシングルスの2連覇、ダブルスでも初優勝を目指す。パリパラリンピックに向けて勝ち続けられるよう練習を頑張りたい」と笑顔で話していました。
里見「パリ大会では金メダルを目指したい」
女子シングルスの車いすのクラスで優勝した里見紗李奈選手は「ほっとしています。きのうダブルスの準決勝で敗れた相手だったのでシングルスでは絶対に勝ちたかった。第1ゲームは相手を前後に動かすことができたし、第2ゲームは速い球や緩い球を使い分けて翻弄できた」と振り返りました。
そして「シングルスは追われる立場で、相手も対策をしているが挑戦者の気持ちを忘れず来年のパリ大会では金メダルを目指したい。また、今大会ではダブルスの課題が見えてきたので一からやり直したい。来年に向けて“変わった”と思われるよう頑張ります」と笑顔を見せていました。