国連安保理緊急会合 ガザ地区の病院攻撃に各国が懸念示す

パレスチナのガザ地区の病院でイスラエル軍による攻撃で被害が相次いでいることについて、国連安全保障理事会で緊急会合が開かれ、各国からは懸念を示す意見が相次ぎましたが、アメリカはイスラム組織ハマスが病院に武器を保管しているなどとしてイスラエルを擁護する姿勢も示しました。

10日に開かれた安保理の緊急会合では冒頭、各国の代表が全員立ち上がり、パレスチナとイスラエルの双方で亡くなったすべての民間人に黙とうをささげました。

続いてWHO=世界保健機関のテドロス事務局長が報告し「ガザ地区の状況はことばではあらわせない。病院の廊下はけが人や病人でごった返し、麻酔なしの手術が行われている。10分に1人、子どもが死亡している」と危機感を示しました。

さらにこの48時間で4つの病院が機能しなくなったとして「これ以上の民間人の犠牲と病院の被害を防ぐため停戦を呼びかけ続ける」と訴えました。

このあと各国からは病院や医療従事者の被害が拡大していることに懸念を示す意見が相次ぎ、UAE=アラブ首長国連邦のヌサイベ国連大使は「イスラエルの攻撃が残酷で非人道的なのは疑いの余地がない」と非難しました。

これに対してイスラエルのエルダン国連大使は「ハマスは医療従事者も患者も人間の盾として使っている」と主張したほか、アメリカのウッド国連次席大使は、民間人は常に保護されなければならないと強調しながらも「ハマスは病院や学校に武器や弾薬を保管して、住民を意図的に危険にさらしている」などと述べ、イスラエルを擁護する姿勢も示しました。