ジャニー喜多川氏の性加害問題“子ども守る法律制定を”要望書

ジャニー喜多川氏による性加害問題を受け、子どもへの性犯罪や虐待の防止に取り組むNPO法人が強い立場にある者から子どもたちを守るための法律の制定などを求めて国に要望書を提出しました。

要望を行ったのは子どもへの性犯罪や虐待の防止に取り組む東京のNPO法人「シンクキッズ」で、10日に、こども家庭庁に要望書を提出しました。

この中ではジャニー喜多川氏による性加害問題が長らく不問にされてきたとし、その原因として、
▽子どもに対する性犯罪や虐待に社会全体が無関心で、
▽弱い立場にある者より、強い者にそんたくするマスコミや企業などの対応があり、
▽子どもを保護する機能が極めて弱い法制度などがあると指摘しています。

そのうえで、芸能事務所だけでなくスポーツ団体や塾や学校などで強い立場にいる者からの子どもへの性加害を防ぐため各省庁が指針を策定し、その順守や体制整備を義務づける法律を新たに制定することなどを求めています。

要望書を受け取ったこども家庭庁の吉住啓作支援局長は「子どもへの性暴力は重大な人権侵害であり、絶対に起こしてはならないという思いを重く受け止めたい」と答えていました。

NPO法人の代表理事を務める後藤啓二弁護士は「前代未聞の事件が発覚したのに何もしなければ同じような事件が起こる可能性があり、子どもに対する大人の責任を果たせない。政府として真剣に受け止めてほしい」と話していました。