イスラエル軍は10日、ガザ地区北部での地上部隊の作戦でハマスの複数の司令官を殺害したと発表するとともに、トップのハレビ参謀総長がガザ地区に視察に入ったとする映像を公開し、地上作戦が進んでいることをアピールしました。
こうした中、複数の現地メディアは9日夜から10日朝にかけて、数千人以上の住民が避難しているガザ地区最大級の病院「シファ病院」がイスラエル軍による攻撃を受け、死傷者が出ていると伝えました。
イスラエル軍は、シファ病院の地下にはハマスの重要な拠点があると主張しています。
現地からの映像には、病院の敷地内で子どもや大人が頭などから血を流し、地面に倒れている様子が確認できます。
一連の衝突で、ガザ地区の地元当局は10日、ガザ地区でこれまでに1万1078人死亡し、このうち4506人が子どもだと発表しました。イスラエル側では少なくとも1400人が死亡していて、双方の死者は1万2000人を超えています。
ガザ地区で人道状況が極度に悪化する中、アメリカ・ホワイトハウスは9日、イスラエル軍がガザ地区北部で1日4時間、戦闘を休止すると明らかにしましたが、イスラエル側からはこれまでのところ戦闘の休止の時間や場所などに関する詳しい説明はありません。
イスラエルのネタニヤフ首相は、アメリカのFOXニュースのインタビューで「戦闘は継続する。ただ、特定の場所で数時間、戦地から住民を避難させたい」と述べたうえで「人質の解放なしには停戦は実現しない」として、改めて停戦に否定的な考えを示しました。
人質の解放をめぐっては、エジプトやカタールなどを仲介役として、解放に向けた交渉などの動きが活発化しています。
イスラエル軍 “ハマス拠点の病院”を攻撃 現地メディア報道
イスラエル軍がパレスチナのガザ地区への地上侵攻を進める中、複数の現地メディアはイスラエル軍がハマスの拠点があると主張する病院を攻撃し、死傷者が出ていると伝えました。ガザ地区の人道状況が極度に悪化する中、人道目的で戦闘を休止すると発表されましたが、1日4時間の休止が人道状況の改善につながるかは極めて不透明です。