「レベル4」自動運転事故 カメラが自転車を認識できず 福井

10月に福井県永平寺町で全国で初めて特定の条件のもとで完全な自動運転「レベル4」の運行を行っていた車両が自転車に接触した事故について町は10日、障害物を検知するカメラの事前の学習データが不足していたため、自転車だと認識できず、自動でブレーキがかからなかったことが原因だなどと公表しました。

この事故は10月29日、永平寺町で自動運転を行っていた車両が道路わきに止められていた自転車に接触したもので、乗客4人にけがはありませんでした。

永平寺町では町道のおよそ2キロの区間で時速12キロ以内で走るなど特定の条件のもとで完全な自動運転を行う「レベル4」の車両の運行が全国で初めて行われています。

町は10日に事故の調査結果を公表し、障害物を検知するために自動運転の車両に取り付けられたカメラやレーダーなどのうち前方の障害物を検知するカメラが自転車だとは認識できなかったため、自動でブレーキがかからず、接触事故が起きたと明らかにしました。

認識できなかった要因について町は、
▽カメラが無人の自転車を認識する事前の学習データが不足していたうえ、
▽人が乗っていない状態の真後ろからの画像が自転車と認識できる形状でなかったためだとしています。

町などは今後、無人の自転車などの学習データを増やすほか、画像で認識できない物体でも接触の可能性があると検知された場合は自動ブレーキをかけるよう対策を講じたうえで、来年3月以降の運行再開を目指すことにしています。