メキシコ 大阪・関西万博の参加を取りやめる意向明らかに

再来年に開催される大阪・関西万博で自前のパビリオンを出展する予定だったメキシコが参加を取りやめる意向を日本側に伝えたことが関係者への取材でわかりました。

大阪・関西万博には153か国が参加し、このうち60か国がパビリオンを自前で建設する「タイプA」と呼ばれる方式で出展する意向を示していました。

しかし、政府関係者によりますと、タイプAでパビリオンを出展する方針だったメキシコが「大統領選挙などが予定されているため予算を決めることができない」として参加を取りやめる意向を日本側に伝えてきたということです。

大阪・関西万博のタイプAの海外パビリオンをめぐっては、資材価格の高騰などを背景に準備の遅れが表面化していて、博覧会協会は協会が組み立て式の建物を建てて建設費を参加国が負担する「タイプX」と呼ばれる方式を選択肢として提示するなどしていました。

すでにアンゴラなど2か国がタイプAから「タイプX」に変更する方針を示しているほか、スロベニアなど2か国が協会が建てた建物に複数の国で入る「タイプC」に変更する意向を示していますが、参加を取りやめる意向を示した国が明らかになるのは初めてです。

参加国のパビリオン およそ半数の国まだ建設会社決まらず

資材の高騰などを背景に準備の遅れが表面化し、パビリオンを自前で建設する60か国のうち、建設会社が決まった国は24か国にとどまり、およそ半数の国はまだ決まっていないということです。

実施主体の博覧会協会は協会が組み立て式の建物を建てて建設費を参加国が負担する「タイプX」と呼ばれる方式を選択肢として提示し準備が遅れている国に活用を呼びかけていて、現時点で、
▽アンゴラなど2か国が「タイプX」に変更する意向を示したほか
▽数か国が関心を示しています。

一方、
▽スロベニアなど2か国は協会が建てた一つの建物に複数の国で入る「タイプC」に変更する意向を示しています。

開催まで1年半を切る中、博覧会協会は来週、参加国を集めた会議を開くことにしていて、それぞれの国の状況に合わせて準備をどうサポートできるかが課題になります。

NTTグループ 起工式で工事の安全祈願

大阪・関西万博に出展する「NTTグループ」のパビリオンの起工式が10日、会場となる夢洲で行われました。

起工式にはNTTグループの幹部や、実施主体の博覧会協会の石毛博行 事務総長らおよそ60人が出席し、工事の安全を祈願しました。

3500平方メートルの敷地に4つの建物がつくられる予定で、パビリオンの内部では「IOWN」と呼ばれる光を使った高速・大容量の次世代の通信ネットワークを活用し、遠く離れた場所の人や景色が音や感触なども含めて、その場で再現できるような展示を計画しています。

建物は環境への配慮からワイヤーを使って布をつるしたテントのような形状にして、その布が来場者の感情に反応して動くような仕組みにするということです。

建設工事は11月中旬から始まり、2024年12月ごろに完成する予定だということです。

NTTの島田明 社長は起工式のあと記者団に対し「パビリオンでは人と地球を守っていくことをお伝えするとともに未来の新たな価値をお見せしたい」と話していました。