スシロー運営会社 最終利益 前年の2倍以上に 海外店舗好調で

回転ずしチェーン大手「スシロー」などの運営会社のことし9月まで1年間の決算は、台湾や香港など海外の店舗が好調だったことから、最終的な利益が前の年の2倍以上に増加しました。

「スシロー」や「京樽」などを運営する「FOOD & LIFE COMPANIES」は、ことし9月まで1年間のグループ全体の決算を10日に発表しました。

▽売り上げは前の年より7.3%増えて3017億円、
▽最終的な利益は前の年のおよそ2.2倍の78億円となりました。

台湾や香港、それにタイなどの海外で新規の出店を進めるなどして売り上げが拡大したことが大きな要因です。

ただ中国では、ことし8月に東京電力福島第一原発にたまる処理水の海への放出が始まった影響として回転ずしの店舗で来客数が落ち込んだとしています。

一方、国内の回転ずし事業は来客数が減少するなどして利益が伸び悩み、原材料コストの上昇を受けて去年秋に値上げを行った影響もあるとしています。

水留浩一社長は記者会見で「国内では物価高に所得が追いついておらず、価格の変更で減少した来客数の回復や客単価の上昇が思惑どおりになるまでに時間を要した。国内の戦略を見直すとともに成長の見込める海外に資源を投資していきたい」と述べました。

「社員を守り 生活の改善に積極的に取り組んでいきたい」

回転ずしチェーン大手「スシロー」などを運営する「FOOD & LIFE
COMPANIES」の水留浩一社長は記者会見で、10月から正社員の賃金を平均でおよそ6%引き上げたことを明らかにしたうえで「社員を守り、生活の改善に積極的に取り組んでいきたいと思っているので、相応の賃金の上昇を検討すべきだと考えている」と述べました。

その上で「同時に生産性を上げないと経営が成り立たないので、どういった教育や研修を行い社員の経験をつくっていくかが大きな課題だと認識している」と述べました。

一方、時給で働く従業員については「都市部では時給1500円出してもなかなか集まらないところもある。われわれとしては人をしっかりそろえていかないといけないので環境ごとに時給を決めている。結果として時給は徐々に上がっている」と述べました。