秋葉国家安全保障局長 中国 王毅外相と会談 首脳会談実現向け

中国・北京を訪れた秋葉国家安全保障局長は王毅外相と会談し、来週、アメリカで開かれる国際会議にあわせた日中首脳会談の実現に向けて意見を交わすとともに、両国間や国際社会の課題について、引き続き緊密に意思疎通を行っていくことで一致しました。

岸田総理大臣は来週、アメリカのサンフランシスコで開かれるAPEC=アジア太平洋経済協力会議の首脳会議にあわせて、中国の習近平国家主席と首脳会談を行うことを検討しています。

こうした中、秋葉国家安全保障局長は9日夜、中国・北京で王毅外相とおよそ3時間半にわたって会談し、首脳会談の実現に向けて意見を交わしました。

また、秋葉局長は中国による日本産水産物の輸入停止措置の撤廃を求めるなど、両国間の懸案について日本側の主張を伝えました。

さらに、イスラエル・パレスチナ情勢や、ロシアによるウクライナ侵攻など国際社会の課題についても意見を交わし、両氏は引き続き緊密に意思疎通を行っていくことで一致しました。

王毅外相「両国関係を改善する姿勢 具体的な行動で示すべき」

秋葉国家安全保障局長と王毅外相との会談について、中国外務省は「双方が両国関係を健全で安定した発展の軌道に戻すよう努め、意思疎通を続けることで一致した」と発表しました。

一方、会談のなかで王毅外相は、東京電力福島第一原子力発電所にたまる処理水について、「核汚染水」と呼んだうえで、「海洋放出や台湾、歴史などの問題について中国の立場と懸念を表明した」としています。

そして、「日本側はできるだけ早く、両国関係を改善する姿勢を具体的な行動で示すべきだ」と強調したということです。