世界の平均気温 過去12か月間で観測史上最も暑く 米研究機関

ことし10月までの12か月間の世界の平均気温は観測史上、最も暑かったとみられることがアメリカの研究機関の分析でわかりました。専門家は「来年は数十億人が異常な暑さを経験することになる」として、温室効果ガスの排出をできるだけ早く削減することが必要だと訴えています。

アメリカの研究機関「クライメート・セントラル」は世界175か国のほか、各国の州や都市の1日の平均気温のデータなどをもとに、石炭や天然ガスの燃焼など、人間の活動によって排出された温室効果ガスが気温に与える影響を分析しました。

この結果、日本やインドネシア、イタリアやブラジルなどで平年よりも気温が高くなる確率が3倍以上に高まり、世界の人口の73%が少なくとも30日間、平均よりも高い気温にさらされたとしています。

そして、ことし10月までの12か月間の世界の平均気温は観測史上、最も暑くなり、産業革命前と比べ1.32度高くなったと推計しています。

研究チームは海面の水温が平年より高くなる「エルニーニョ現象」の影響はことしは限定的だとしていて、分析に関わったアンドリュー・パーシング博士は記者会見で、「経験すべきではない気温だ。来年は数十億人が異常な暑さを経験することになり、気候変動から誰も安全でないことを示している」と述べ、温室効果ガスの排出をできるだけ早く、削減することが必要だと訴えています。