【詳細】ロシア ウクライナに軍事侵攻(10日の動き)

ロシアによるウクライナに対する軍事侵攻が続いています。

ウクライナの各地でロシア軍とウクライナ軍が戦闘を続けていて、大勢の市民が国外へ避難しています。戦闘の状況や関係各国の外交など、ウクライナ情勢をめぐる10日(日本時間)の動きを随時更新でお伝えします。

(日本とウクライナとは7時間、ロシアのモスクワとは6時間の時差があります)

プーチン大統領 記者会見と国民対話イベント 年内に実施

ロシア大統領府のペスコフ報道官は9日、プーチン大統領が大規模な記者会見を、テレビを通じて国民からの質問に直接答えるイベントと合わせる形で年内に実施すると、ロシアの通信社に明らかにしました。

実施の時期については、「すでに決定している。折を見て発表する」と述べるにとどまりました。

この記者会見は数時間にわたって内外のメディアの質問に答えるもので、例年、年末に行われてきましたが、ウクライナへの軍事侵攻を始めた去年は、会見も国民との対話形式のイベントも見送られました。

ロシアでは来年3月に大統領選挙が予定され、ロイター通信は今月、プーチン大統領が通算で5期目を目指して近く立候補を表明する意向だと伝えていて、ウクライナ侵攻をめぐる主張とあわせて、その発言に関心が集まりそうです。

ロシア メドベージェフ前大統領「軍事産業の能力 空前のレベル」

ロシアの前の大統領で、安全保障会議のメドベージェフ副議長は9日、モスクワ近郊で軍の訓練を視察した際、ことし1月以降、およそ41万人が軍と契約を結んだとした上で、「ロシアの軍事産業の能力は第2次世界大戦の終結以来の空前のレベルになった」と主張し、ウクライナや欧米をけん制しました。

プーチン大統領 ウクライナ近くのロシア軍司令部訪問

ロシア大統領府は、プーチン大統領がウクライナ東部と国境を接するロシア南部ロストフ州のロストフ・ナ・ドヌーにある軍司令部を訪問したと10日、発表しました。

訪問にはショイグ国防相とゲラシモフ参謀総長が同行し、軍事侵攻の戦況や、装備品について説明を受けたということです。プーチン大統領は10月20日も同じ司令部を訪問していて、ロシア軍が東部で攻勢を強めるなか、みずからも作戦を指示したものとみられます。

またプーチン大統領は10日、内務省の職員に向けた動画のメッセージで「あなた方の仕事はロシアの新たな地域であるドネツク州とルハンシク州、ザポリージャ州とヘルソン州で特に重要だ」と述べ、一方的に併合したウクライナの4つの州の支配を推し進める姿勢を強調しました。

ゼレンスキー大統領 “4つの方面で激戦”

一方、ウクライナのゼレンスキー大統領は9日、ロシア軍との間で東部ドネツク州のアウディーイウカ、バフムト、マリインカそして東部ハルキウ州のクピヤンシクの4つの方面で激戦となっていると明らかにしました。

また、ウクライナ軍は南部で反転攻勢を続け、10月からはヘルソン州でロシア軍が占領するドニプロ川の東岸に渡り作戦を展開しているとみられています。

アメリカのシンクタンク「戦争研究所」は9日「ロシア軍は東部で攻撃を維持しながら、ザポリージャ州で防衛作戦を実施していて、ヘルソンでのウクライナの作戦に対応するための増援部隊に苦労している」と指摘しています。