9日、枚方市が新たに返礼品に加える予定だと発表したのは、ロングセラー商品として知られる棒状のスナック菓子を持ち運ぶための専用ケース「うまい棒ケース」。
ふるさと納税 返礼品に「うまい棒ケース」大阪 枚方の企業製作
ロングセラー商品のスナック菓子を入れるためのアルミ製のケース「うまい棒ケース」を大阪 枚方市の企業が製作し、市はふるさと納税の返礼品にする方針だと発表しました。ケースは、50年以上アルミケースの製造を続けている地元企業の手作り。寄付金額はスナック菓子の価格の1万倍近い、10万円前後となる見通しです。
12円の菓子のケースを寄付金10万円で
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ケースは、縦20センチ、横10センチ、厚さセ4ンチのアルミ製。
鍵もついています。
中には、発泡ウレタンとベロア調の高級感ある布で作った収納スペースがあり、菓子1本がちょうど収まるサイズです。
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返礼品として用意されるのは、ゴールド、黒、虹色の3種類で、寄付金額は11万円と9万9000円を予定しているということです。
1本12円の菓子の価格の実に1万倍近く(!)にあたります。
市によりますと、現在、総務省の確認を待っているということで、年内にも受け付けを開始したいとしています。
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孫の悲しむ顔を見たくない 「技術の結晶 本気で作った」
ケースを製造するのは、50年以上アルミケースを製造してきた枚方市の企業。ふだんは車のエンジンやドローンなど、精密機器を保管・運搬する際のアルミケースを受注生産しています。
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そんな企業が「うまい棒ケース」を開発するきっかけは、企業に勤務する62歳の男性社員の孫。
この社員の孫が、幼稚園のお楽しみ会でもらった棒状のスナック菓子を家に持ち帰って食べようとしたところ、かばんの中で割れて粉々に…。
孫の悲しむ顔を見た社員が、「笑顔を守りたい」と、開発を提案したということです。
ケースは一つ一つ手作り。
アルミケースをカッターでカットし、手作業でフレームを組み立てます。
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菓子を収納するスペースは発泡ウレタンを切り出して作り、ベロア調の高級感ある布を使います。
菓子を取り出しやすいように中央部には指を差し入れる空間を作っています。
ケースは、
▽地上70センチの高さから、さまざまな角度から落下させる耐久試験を行ったほか、
▽軽乗用車でひいても収納したスナック菓子が割れないことも確認したということです。
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また、かばんの中で動くうちにふたが開かないよう、鍵もついています。
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企業は「パフ状で壊れやすいスナック菓子を衝撃からどう守るのか、50年以上の技術の結晶で本気で作った」としています。
また、透明のアクリル板への刻印や、梱包する箱も、枚方市の中小企業が作っているということです。
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ケースを製造したアクテック 芦田友之 社長
「せっかく作るので、アクリル板も梱包も枚方の企業でまかなえないかと考えて探したら、すぐに見つかりました(笑)。枚方には数多くの企業があるので、枚方のものづくりについても知ってほしい」
「もっと枚方市を知って」
今回、市は、企業側からの働きかけを受けて、返礼品にすることを決めました。
実は、枚方市はふるさと納税による寄付で苦戦しています。
市によると、昨年、ふるさと納税で枚方市に寄付された金額は1億5300万円だったということですが、枚方市から他の自治体に寄付された金額はおよそ14億円で、大幅な流出超過だったということです。
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枚方市広報プロモーション課 田中朗 課長
「斬新な発想と高い技術力がある枚方市のものづくりを通じて、全国に枚方市を知ってほしい。今回のケースをモデルにして、地元企業との連携を進めて、市への寄付を増やしていきたい」
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アクテック 芦田 社長
「『おもろいことをやってるな』と思っていただいて、多くの人に見ていただくことで、枚方市のことを多くの人に知ってほしいし、枚方市を盛り上げられたらと思っています」