衆院憲法審 “緊急事態条項 速やかに議論詰める必要”審査会長

衆議院憲法審査会が開かれ、自民党の森審査会長は、大規模災害や戦争などの際の対応を憲法に規定する「緊急事態条項」について、国会機能の維持が重要だという観点で速やかに議論を詰める必要があるという認識を示しました。

衆議院憲法審査会は今の国会で2回目となる審査会を開き、森審査会長らがフランス、アイルランド、フィンランドを視察した報告を行いました。

この中で森氏は、視察した国の状況も踏まえ「価値観が多様化していることはわが国も同様と思われ、いかに国民を分断することなく合意形成を図るかが憲法改正のポイントだ」と指摘しました。

その上で、大規模災害や戦争などの際の対応を憲法に規定する「緊急事態条項」について「視察した国では議会のチェックの重要性を強調していた。緊急時の国会機能の維持は重要であり、議員の任期延長をはじめとした国会機能維持策について、速やかに議論を詰めていかなければならない」と述べました。

一方、審査会に先立って開かれた幹事会では、来週16日に審査会を開いて自由討議を行うことで与野党が合意しました。

維新 馬場代表「今国会で改正項目絞り込みなど強く求める」

日本維新の会の馬場代表は記者会見で「岸田総理大臣は、来年9月に自民党総裁の任期が満了するまでに、憲法改正の国民投票をやると繰り返し言っている。逆算すると、来年の通常国会の会期末には発議するのがタイムリミットだ。われわれとしては今の国会で、改正項目の絞り込みや条文の作成といった具体的な作業に入ることを強く求める。自民党が作業に入らないのであれば『やるやる詐欺』であり、改憲政党とは言えず、国民投票をやる気がないと判断する」と述べました。