アメリカの動物園で人気のパンダが中国へ 近年は返還相次ぐ

アメリカの首都ワシントンの動物園で人気者だったジャイアントパンダが中国に返還されるため、アメリカを出発しました。
アメリカでは近年、貸し出し期限を迎えたパンダが相次いで返還されていて、アメリカのメディアは対立が続く米中関係と合わせて大きく伝えています。

中国に返還されるのは首都ワシントンの国立動物園で飼育されていたオスとメス、そしてその子どもの3頭のパンダで、8日に飛行機に乗せられ、空港を飛び立ちました。

3頭のうち親の2頭は2000年に中国から貸し出され、当初10年間の予定だった貸し出し期間が中国側との合意にもとづき繰り返し延長されてきましたが、今回、子どものパンダとともに返還されることになりました。

この動物園へのパンダの貸し出しは、1972年にニクソン大統領がアメリカの大統領として初めて中国を訪問した記念に2頭が贈られたのが始まりで、50年以上にわたって米中の友好関係の象徴とされてきました。

3頭が返還される前日に動物園を訪れた男性は、「パンダは自然保護や文化を共有する象徴的な存在だっただけに残念だ」と話していました。

アメリカでは近年、各地の動物園で貸し出しの期限を迎えたパンダが相次いで中国に返還されていて、残っているのは南部ジョージア州の動物園のパンダだけですが、来年に期限を迎えます。

アメリカのメディアは「パンダの数は米中関係の悪化と合わせるように減少しており、まもなくアメリカからパンダがいなくなるかもしれない」などと大きく伝えています。