NY原油先物価格 一時77ドル台まで下落 中国経済の減速懸念で

7日のニューヨーク原油市場では中国経済が減速して原油需要が落ち込むことへの懸念が強まったことを背景に国際的な原油の先物価格がおよそ2か月半ぶりに一時、1バレル=80ドルを割り込みました。

7日のニューヨーク原油市場では国際的な取り引きの指標となるWTIの先物価格が一時、1バレル=80ドルを割り込み、1バレル=77ドル台まで下落しました。

WTIの先物価格が1バレル=80ドルを割り込むのは、ことし8月下旬以来、およそ2か月半ぶりです。

7日に発表された中国の先月の貿易統計で輸出額が6か月連続で減少したことなどから中国経済が減速して原油需要が落ち込むことへの懸念が強まったことが背景にあります。

WTIの先物価格は、イスラム組織ハマスがイスラエルを攻撃してイスラエルの報復作戦が始まった先月7日以降、軍事衝突の影響が産油国に及ぶことへの懸念から一時は上昇傾向にありましたが、下落に転じました。

市場関係者は「中東は緊迫した情勢が続いているものの、ハマスとイスラエルの軍事衝突が産油国に及ぶことへの懸念は当初よりは和らいでいる。一方で貿易統計の発表をきっかけに中国経済が減速するとの懸念が強まっていて、原油価格の今後の動向は中国の経済指標に左右されそうだ」と話しています。