英 チャールズ国王 即位後初の施政方針演説「必要な決断を」

イギリスで議会が開会し、即位後初めて施政方針演説に臨んだチャールズ国王が「困難だが必要な決断を下す」として、経済成長やエネルギー安全保障の強化、ウクライナ支援など、政府の重点政策を示しました。

イギリスでは議会で新たな会期が始まる際、政府の施政方針を元首が読み上げることになっていて、去年9月に即位したチャールズ国王が7日、バッキンガム宮殿から馬車で議会に向かいました。

前回の会期がおよそ1年半続いたためチャールズ国王にとっては初めての施政方針演説となりました。

上下両院の議員を前に行った演説で国王は「亡き女王の奉仕と献身を念頭にこれを届けます。私の政府の優先事項は、この国をよりよい方向に変えるため、困難だが必要な、長期的な決断を下すことです」と述べ、スナク政権の重点政策を示しました。

この中でチャールズ国王は、経済成長の拡大とインフレの抑制、原油と天然ガス田の新規開発を認め、エネルギー安全保障を強化しながら2050年までに温室効果ガスの排出量を実質ゼロにすること、それに現在14歳以下の世代は将来にわたってたばこを購入できないようにする健康増進法案の提出なども表明しました。

また外交関連では、インド太平洋地域との間の貿易と投資を促進する法案の提出を明らかにしたほかウクライナ支援の継続や、イスラエルに対するテロ行為に立ち向かうと同時にガザ地区への人道支援を進め、中東の平和と安定に向けた取り組みへの支援を表明しました。