イスラエル軍 退避動画投稿 ガザ地区当局“北部に依然90万人”

パレスチナのガザ地区で地上侵攻を進めるイスラエルのガラント国防相は7日、地上部隊がガザ市の中心部に達したことを明らかにしました。ガザ地区の当局はガザ市をはじめ北部には依然として90万の人たちがとどまっていると主張し、攻撃を続けるイスラエル側を非難しています。

イスラエルのガラント国防相は7日「イスラエル軍はガザ市の中心部にいる」と述べ地上部隊がガザ市の中心部に達したことを明らかにしました。

イスラエル軍は、ガザ市周辺で地下トンネルなどハマスの拠点の破壊を続けていてガザ市中心部での市街戦を本格化させる構えです。

また、イスラエル軍のアラビア語の報道官は7日、旧ツイッターのXへの投稿で、ガザ地区北部の住民に経路と時間を指定し、南部に退避するよう呼びかけました。

投稿には大勢の住民が白旗を掲げたり、両手をあげたりするなどして歩いている姿を遠くから捉えた動画が添えられ「多くの人がこの時間、退避している。あなたと、あなたが愛する人が大切なら我々の指示に従って南に向かおう」と書かれています。

イスラエル軍としては民間人の退避を促すことで、国際法を順守している姿勢を示し軍事作戦の正当性を強調する狙いがあるものとみられます。

一方、ガザ地区の当局は、北部に依然として90万人がとどまっているほか、人道支援物資がおよそ1か月にわたり届いていないと主張しました。

そのうえでガザ地区北部では燃料と小麦粉の不足からパン屋がすべて操業を停止し安全ではない水を飲まざるを得ない状況だとして「イスラエルは激しい空爆で住民に心理的な圧力を加え住民を家から追い出そうとしている。封鎖されたなかで南部がこれだけの人口を受け入れるのは無理だ」とイスラエル側を非難しました。