花粉症対策にスギの伐採や植え替えへ 農水省が補正予算案

農林水産省は、今年度の補正予算案に食料安全保障の強化に向けた農家への支援や、花粉症対策としてスギの伐採や植え替えなどを進める費用を盛り込む方針を固めました。農林水産分野の全体の予算は、総額8100億円あまりに上る見込みです。

政府が今月2日に決定した新たな経済対策では、食料安全保障の強化や、社会的な課題となっている花粉症への集中的な対応などが打ち出されています。

農林水産省は、今年度の補正予算案にこれらの施策に必要な予算を含め、農林水産分野で総額8100億円あまりを盛り込む方針を固めました。

具体的には、輸入に依存する麦や大豆などの国内での生産を拡大するため、水田から畑への転換に取り組む農家への支援事業に750億円、先進技術を活用するなどして低コストの生産に取り組む農家への支援に180億円、それぞれ計上する方針です。

また、多くの人を悩ませている花粉症への対策として、スギの人工林の伐採や花粉の少ない苗木への植え替えを進める費用やスギ花粉の飛散量の予測や飛散防止の実証実験を行う費用などとして60億円を盛り込む方針です。

さらに、農業用ハウスなどへの燃料価格の高騰対策として45億円、この夏の猛暑を踏まえ、暑さに強い品種を導入するなどの対応策に3億円をあてるとしています。