リニア 国の有識者会議が結論示す 静岡県はさらなる協議求める

静岡県が着工を認めていないJR東海の「リニア中央新幹線」をめぐり、国の有識者会議は、環境保全についてJR側が取るべき対策をまとめ、一連の議論を終えることになりました。一方、静岡県は、さらなる協議を求めています。

リニア中央新幹線について、JR東海は2027年の開業を目指していますが、静岡県は地下のトンネル工事で大井川の水量が減ることや南アルプスの生態系への悪影響を懸念して着工を認めていません。

両者の仲裁に入る形で国が設けた有識者会議は、2020年4月から「水資源」と「生態系などの環境保全」の2つのテーマで議論を続け、7日「環境保全」について結論をまとめました。

この中では、JR側が取るべき対策として挙げた
▽トンネルを掘った際に周辺の沢の水量の減少を抑える保全措置や、
▽工事の残土が周辺環境に与える影響を調べるモニタリングなどについて「整理された」としたうえで、国もこうした対策を客観的な立場で確認すべきだとしました。

有識者会議はすでに「水資源」について、JR側が十分な対策をとれば大井川の水の流出を抑えられるなどとした報告を公表していて、2つのテーマの結論が示されたことで、一連の議論を終えることになります。

一方、静岡県は県が選ぶ有識者や、環境保護団体の意見を踏まえ、取りまとめは早いとする書面を提出するなど、さらなる協議を求めています。

会議のあとJR東海の宇野護 副社長は「報告書がまとまることは当社にとって大きい。今後も静岡県と議論を続けていく」と話していました。

静岡県の森貴志 副知事は「議論すべき点は残っており、有識者会議がこれで終わるのであれば、大変残念だ。県の専門部会で今後の対応を考えたい」と話していました。