特殊詐欺グループか カンボジアで拘束の25人 日本に移送へ

ことし9月、カンボジアのアパートで現地当局に拘束された25人について、現地から日本に特殊詐欺の電話をかけて現金をだまし取るなどした疑いがあるとして、埼玉県警察本部などが詐欺などの疑いで逮捕状を取りました。

8日にも25人を日本に移送して詐欺などの疑いで逮捕し、グループの実態解明を進めることにしています。

25人はことし9月、カンボジアの首都プノンペンのアパートにいたところを現地の捜査当局に身柄を拘束され、部屋からは複数のパソコンや携帯電話、それに事件に関するメモなどが見つかりました。

埼玉県警などが捜査を進めていたところ、25人が、ことし8月ごろ、北海道に住む70代の女性が介護施設の入居に関する名義貸しのトラブルを解決する名目で、現金45万円や電子マネー5万円分をだまし取られた特殊詐欺事件などに関わった疑いがあることがわかったということです。

25人は、20歳から42歳の男で、警察は詐欺などの疑いで逮捕状を取りました。

25人は現地から日本の被害者に電話をする「かけ子」で、8階建てのアパートを貸し切り、1つのフロアを電話をかける専用の場所として使用していたとみられるということです。

25人は少なくとも8道府県の特殊詐欺事件に関わった疑いがあり、被害は数億円に上るとみられるということです。

警察は8日にも25人を日本に移送して詐欺などの疑いで逮捕し、グループの実態解明を進めることにしています。

東南アジア拠点のグループ摘発相次ぐ

東南アジアを拠点とした、日本人の特殊詐欺グループの摘発は、最近相次いでいます。

警察庁によりますと、2019年以降、タイ、フィリピン、カンボジア、ベトナムの4か国で、8つの特殊詐欺グループが現地当局によって摘発され、およそ120人が身柄を拘束されています。

「ルフィ」などと名乗り、国内各地で強盗事件を指示していたとしてことし逮捕された被告らも、フィリピンで特殊詐欺に関わっていたとみられ、そのグループのメンバー36人の身柄が2019年に拘束されています。

また、ことしに入ってから摘発が相次いでいるのがカンボジアです。

4月に南部のリゾート地のホテルを拠点とした特殊詐欺グループの日本人19人が逮捕されたほか、5月には北部のタイとの国境の町のホテルを拠点に詐欺をしてたとみられる日本人グループの身柄が拘束されています。

警察庁は、日本人の犯罪グループが、国内の闇バイトなどを実行役にする一方、拠点を海外に移す動きを加速させているとみて、各国の捜査機関とも連携し、実態解明などを進めています。