スマホで「デジタル名刺」広がる 転職や副業で需要拡大見込む

紙の名刺の代わりに、スマートフォンで自己紹介する「デジタル名刺」のサービスが広がっています。情報の変更がしやすく、複数の肩書の管理も簡単なことから、提供する会社では転職や副業が増える中、需要の拡大を見込んでいます。

都内のスタートアップ企業が手がけるのは、プラスチックのICカード型のデジタル名刺です。

名刺交換の際に相手のスマートフォンとカードを近づけると自分の情報が送信される仕組みで、受け取った相手は、簡単な操作でそのままスマホに登録できます。

また、会社の紹介資料のほか、画像や動画など相手に伝えたい情報をカスタマイズできるのも特徴です。

サービスを展開する「スタジオプレーリー」の坂木茜音共同代表は「いろいろな場所で働くことが主流となる中で、これまでの仕事や趣味、得意分野などさまざまな情報を交換し、より相手を知ることでビジネスチャンスにつながる」と話しています。

一方、名刺管理サービスを手がける「Sansan」は、アプリの会員どうしがスマホを近づけるだけで自己紹介ができる機能を新たに始めました。

このサービスでは、社内の異動や転職した際に、名刺交換した相手のアプリ上で自分の情報が自動で更新される機能があり、紙の名刺からの情報の登録作業が不要になるということです。

厚生労働省がことし9月にまとめた「労働経済白書」によりますと、去年転職した人の数は303万人と3年ぶりに増加していて、サービスを提供する会社では転職や副業が増える中、需要の拡大を見込んでいます。