宮崎県警が“証拠隠滅の疑い” 被告の弁護士が告訴状提出

3年前、宮崎市で知人男性を殺害した罪に問われている被告の弁護士が会見し、警察がSDカードに記録されたデータを改ざんし被告に有利な証拠を隠滅した疑いがあるとして、東京地検に告訴状を提出したと明らかにしました。宮崎県警察本部は「会見などの内容は把握していないが、改ざんの事実はない」とコメントしています。

告訴状を提出した久常芳治被告は、3年前、宮崎市内で知人の47歳の男性の胸を包丁で刺して殺害したとして、殺人の罪に問われています。

告訴状によりますと、被告は「被害者がナタで襲ってきたので包丁を突き出した」などと正当防衛を主張していて、証拠などを整理する「公判前整理手続き」でナタを撮影した写真のデータを開示するよう請求しました。

その後開示された写真のデータが記録されたSDカードを専門業者に依頼して解析したところ、撮影枚数のデータなどから一部の写真が欠落している疑いがあることがわかったということです。

このため被告は「警察が被告に有利な証拠を隠滅している疑いがある」として、当時の警察署長などについて、東京地検に証拠隠滅の疑いで告訴状を提出しました。

会見した黒原智宏弁護士は「一定の意図のもとで証拠が隠されてはならない」と訴えました。

宮崎県警は、NHKの取材に対し、告訴状や会見の内容は把握していないとしたうえで「警察庁の指針にのっとり、改ざんできないSDカードを使用しており、改ざんの事実はない」としています。