ノーベル平和賞受賞者ら 講演会で軍事衝突での市民犠牲に抗議

戦争のない平和な世界の実現をテーマに、ノーベル平和賞の受賞者5人がゲストとして講演する催しが都内で開かれ、イスラエルとイスラム組織ハマスの軍事衝突で多くの市民が犠牲になっていることに抗議する声が相次ぎました。

この催しは、平和活動に取り組む社団法人が東京 渋谷で開いたもので、1997年から2014年にかけてノーベル平和賞を受賞した5人が登壇者として招かれ、会場にはおよそ1000人が集まりました。

このうち、2011年に受賞したリベリアの平和活動家、レイマ・ボウィさんは「戦時下では多くの女性がじゅうりんされて犠牲になり、ガザやウクライナのように女性や子どもの苦しみはいまも続いている。これまで平和活動に携わってきたのは大抵、スーツ姿の男性ばかりだったが、世界が求める平和を実現させるためには、女性を傍観者としてではなく、大きな原動力として考えなければならない。女性の粘り強さが必要であり、女性なしに平和はありえない」と訴えました。

また、2014年に受賞したインドの人権活動家のカイラシュ・サティヤルティさんは「児童保護と世界平和」をテーマに講演し「子どもたちが紛争の責任を取るべきではなく、イスラエルやパレスチナの子どもたちは私たちの子どもなのだという意識を持つ必要がある」と話していました。

6日はこのほか、1997年に受賞したアメリカの平和活動家ジョディ・ウィリアムズさん、2003年に受賞したイランの弁護士で人権活動家のシリン・エバディさん、2011年に受賞したイエメンのジャーナリスト、タワクル・カルマンさんが「民主主義」や「多国間での国際協調」などをテーマに講演を行いました。