福島 特定復興再生拠点区域の避難指示 11月30日すべて解除へ

東京電力福島第一原子力発電所の事故の影響で、12年にわたって避難指示が出されている福島県富岡町の帰還困難区域のうち、国が先行して除染などを進めてきた区域で残っていた県道や墓地などの避難指示が今月30日に解除されることになりました。

富岡町は原発事故の影響で一時、全域に避難指示が出され、事故から12年たっても北東部の小良ヶ浜地区と深谷地区の4.6平方キロが立ち入りを厳しく制限される帰還困難区域に指定されています。

このうち、国が先行して除染などを進めてきた「特定復興再生拠点区域」で、避難指示が残っていた共同墓地や集会所、県道などについて、先月専門家らによる委員会が「放射線量の低減が確認できた」などとする報告書を町に提出しました。

これを受けて6日、国と県、町が協議を行い、今月30日の午前9時に避難指示を解除することで合意しました。

これにより、原発事故に伴う帰還困難区域のうち6つの町と村で設定された「特定復興再生拠点区域」のすべてで、避難指示が解除されることになります。

富岡町の山本育男町長は「今回の解除を復興再生への突破口とし、帰還を希望する住民の切なる思いを実現するよう今後も国・県と協力して取り組んでいきます」と話していました。