官房長官 偽動画めぐり “政府の偽情報発信 行うべきでない”

生成AIを使って岸田総理大臣の声を再現したとみられる偽の動画がSNSで広がったことをめぐり、松野官房長官は、政府の偽情報を発信することは民主主義の基盤を傷つけることになりかねず、行うべきでないと指摘しました。

SNS上では、生成AIを使って岸田総理大臣の声を再現したとみられる偽の動画が広がり、民放の実際のニュース番組に似せたロゴや字幕なども使われたことから、番組に似せられた日本テレビが「悪用されたことは到底許すことはできません」としたうえで、「フェイク動画」だとして注意を呼びかけました。

これについて松野官房長官は午前の記者会見で、個々のSNS上の投稿へのコメントは控えるとしたうえで「政府の情報を偽って発信することは、場合によっては民主主義の基盤を傷つけることにもなりかねず、行われるべきではない」と指摘しました。

そのうえで「どのような意図であれ、偽情報の投稿は社会を混乱させたり、他人に迷惑をかけたり、罪になる場合もあるのでくれぐれも慎んでほしい」と呼びかけました。

また、偽情報への対策については「国際的な議論やAI戦略会議での有識者の議論なども踏まえ、わが国としても関係省庁と連携して必要な検討をしていきたい」と述べました。