ネタニヤフ首相「人質の解放なしに停戦はありえない」

パレスチナのガザ地区でイスラエル軍による激しい空爆などが続く中、イスラエルのネタニヤフ首相は「人質の解放なしに停戦はありえない」と述べ、現時点で、攻撃の手を緩める考えはないと強調しました。

一方、アメリカのブリンケン国務長官は訪問先のイラクで、人道目的での戦闘の一時停止が必要だという考えを改めて強調しました。

イスラエル軍はパレスチナのガザ地区で夜の空が明るくなるほど激しい空爆などを続けていて現地で医療活動を続けるパレスチナ赤新月社は5日、ガザ市のテルアルハワ地域にある病院の近くに攻撃があり多数の犠牲者が出ているとSNSに投稿しました。

攻撃が激しさを増す中で、イスラエルのネタニヤフ首相は5日、南部の空軍の基地を訪問し、兵士らを前に「人質の解放なしに停戦はありえない。われわれは勝つまで戦い続ける。ほかの選択肢はない」と述べ、攻撃の手を緩める考えはないと強調しました。

一連の衝突で
▽ガザ地区での死者は9770人にのぼり
▽イスラエル側でも少なくとも1400人が死亡しています。

こうした中、中東などを歴訪しているアメリカのブリンケン国務長官は5日、事前の予告なしにイラクを訪問しました。

ブリンケン長官はガザ地区での人道支援について「1日におよそ100台のトラックが入るようになったが圧倒的に不足している。われわれは大幅に増やすために取り組んでいるが、戦闘の一時停止がそれを後押しすることになる」と述べて人道目的での戦闘の一時停止が必要だという考えを改めて強調しました。

また、イラクではアメリカ軍が駐留する基地にイランが支援する勢力による無人機などを使った攻撃が相次いでいることについて「われわれはイランとの衝突を望んでいるわけではないが国民を守るために必要なあらゆる手段を講じる」と述べ武装勢力とイランをけん制しました。

一方、ロイター通信は、レバノン南部ではイスラエル軍の空爆により子ども3人とその祖母が死亡したと伝え、レバノンを拠点とするイスラム教シーア派組織、ヒズボラは、報復としてイスラエル北部に攻撃を行ったとする声明を発表し、衝突の拡大も懸念されます。