来年1月拡充「NISA」 企業が従業員に加入促す奨励金支給の動き

個人投資家を対象にした優遇税制「NISA」が来年1月に拡充されますが、企業の間では、現行のNISAに加入して長期の資産運用を行いたいと希望する従業員に奨励金を支給するなど資産形成を後押しする動きも出ています。

自動車向けの部品などを手がけている東京 青梅市の金属加工メーカーは、ことし4月から、NISAで積み立て投資を行う社員に対して毎月5000円の奨励金を出す取り組みを始めました。現在はおよそ150人いる従業員の7割以上が加入しています。

社員の将来の資産形成を支援することで人材の獲得や定着につなげたいというねらいがあります。

初めてNISAを始めたという20代の男性従業員は「これまで関心はありましたが始めるのが自分1人では不安で手を出せませんでした。会社が奨励金を出してくれるのでこれがチャンスだと思い月に2万円の積み立て投資を始めました」と話していました。

武州工業の林英徳社長は「NISAは特に若い社員にメリットがあると感じますが、自分で選択して投資するのは難しい面もあります。その背中を押すために、5000円であればやってくれるだろうと思い、奨励金の支給を決めました」と話していました。

証券大手の野村証券によりますと、こうした取り組みを実施する企業は増えていて、中には1万円以上の奨励金を出すところもあるということです。

来年からのNISAの拡充でこうした動きが広がるかどうかも注目されそうです。