国際

ガザ地区から退避「国境なき医師団」日本人スタッフが帰国

国際NGO国境なき医師団の一員としてガザ地区で活動し、イスラエルとイスラム組織ハマスの衝突を受けて、エジプトに退避した白根麻衣子さんが5日夜、羽田空港に到着し、報道陣の取材に応じました。

医療支援の活動に関わってきた白根さんは、イスラエルとハマスの衝突が始まった先月7日以降、激しい空爆が続く中で3週間あまりにわたってガザ地区内での避難を続け、今月1日にエジプトに退避して、5日午後11時ごろ羽田空港に到着しました。

空港では、国境なき医師団日本の関係者4人が白根さんを出迎え、拍手を送ったり抱き合ったりして、無事の帰国を喜んでいました。

報道陣の取材に応じた白根さんは「長くてゴールの見えないマラソンのようでしたが、今日本に帰ってこられてほっとしています。現地のパレスチナ人スタッフにはガザ地区を出たあとに連絡しましたが、家族のもとに帰ることを何より喜んでくれました」と述べました。

その一方で「エジプトに退避してからも夢と現実の間にいるような感覚が続いています。ガザのことは忘れられず悲惨な状況が一刻も早く止まればと思っているので、後ろ髪をひかれる思いもあり、複雑な心持ちです」として心境を明かしました。

また「飛行機の窓の外から見る東京はきらきらしていてきれいで、同じ空の下なのになんでガザとこんなに違うのだろうと考えていました。ガザの夜は電気もなく真っ暗で、見える光は空爆やロケット弾だけでした」と話していました。

また、先月7日以降、ガザ地区で過ごした3週間あまりの日々について「ガザ地区は危険地帯といわれる場所ではありましたが、市民はふつうに仕事に行って家族と笑って、友達とカフェでお茶を飲んで過ごしていました。戦闘が始まった10月7日から普通の日常が一切送れなくなってしまい、日常って一瞬で壊れてしまうということを目の当たりにしました。空港でニュースをみるとまだまだガザ地区で厳しい状況が続いていることに悲しみ、憤りを感じています」と振り返りました。

そして、一番会いたい人について尋ねられると「家族に元気な顔を見せて、顔を見ながらゆっくり家族団らんの時間を過ごしたいです。家族が一番の理解者なのでまず家族に今まで見てきたことと、人道支援に携わってきた理由を改めて聞いてほしい」と話していました。

今後のガザ地区への関わり方について「現地でできることはなくて、私がいることで現地スタッフの負担になってしまっていました。今は日本に戻って皆さんに戦争が悲惨なものだと伝えることが唯一できることだと思っています」と述べ、現地で経験したことを伝えていきたいとしています。

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