イスラエル軍 2日連続でガザ地区の住民に退避を呼びかけ

ガザ地区での軍事作戦を続けるイスラエル軍は、激しい空爆や地上部隊による攻撃でイスラム組織ハマスへの攻勢を強めるとともに、2日連続で地区の住民に南部への退避を呼びかけています。4日夜には、ガザ地区の難民キャンプが攻撃を受け、40人以上が死亡したと伝えられていて、住民の犠牲が増え続けています。

イスラエル軍の地上部隊はガザ市を包囲しながら市街戦を続け、ハマスへの攻勢を強めていて、5日には地上作戦の開始以降、2500か所以上のハマスの拠点を攻撃したと発表しています。

5日に新たに公開した動画では、大勢の兵士や戦車などが展開し、市街地で戦闘を続ける様子が映されています。

一方でハマス側も5日、ガザ地区南部のハンユニスの東側でイスラエル軍の部隊に攻撃を行い、戦車2台を破壊したなどとしています。

こうした中、住民の犠牲も増え続けていて、複数のアラブ系メディアは、ガザ地区中部にあるマガジ難民キャンプが4日夜にイスラエル軍による空爆を受けたと伝えています。

このうち、衛星テレビ局のアルジャジーラなど複数のメディアは、現地の保健当局の話として40人以上が死亡したと伝えていて、現地からの映像では、一面がれきとなった現場に多くの人が集まって救助活動を行う様子が確認できます。

こうした中、イスラエル軍は現地時間の5日午前10時から午後2時までの4時間、ガザ地区を南北に貫くサラハディン通りを開放すると2日連続で発表し、住民に南部への退避を呼びかけていて、住民の犠牲を減らす姿勢をアピールしています。

ただ、イスラエル軍は4日、退避経路を確保しようとしていたイスラエル兵に、ハマスが砲撃し退避を妨害したとして強く非難しているほか、時間も4時間と限られるため、どれだけの住民が応じるかは不透明です。

一連の衝突で、ガザ地区の保健当局によりますと、子ども3900人を含む9488人が死亡しています。イスラエル側は、少なくとも1400人が死亡し、外国人を含む240人以上がガザ地区で人質になっています。