岸田首相 マレーシア首相と首脳会談 安保分野の連携強化を確認

岸田総理大臣は、訪問先のマレーシアでアンワル首相と会談し、海洋進出を強める中国を念頭に、外務・防衛当局の対話の促進など安全保障分野での連携を強化していくことを確認しました。

会談は、日本時間の午前11時すぎからおよそ2時間行われました。

この中で両首脳は、海洋進出を強める中国を念頭に、安全保障分野での連携を強化するため外務・防衛当局の対話を促進するほか、同志国の軍に防衛装備品などを提供する新たな枠組み、OSAの活用に向けた調整を加速させる方針を確認しました。

また、投資環境の整備や脱炭素の推進など、経済面での協力も進めていくことになりました。さらに東シナ海・南シナ海の状況やウクライナ情勢などについても意見を交わし、いかなる地域でも、力による一方的な現状変更の試みを容認しない立場を共有しました。

一方、岸田総理大臣は、イスラエル・パレスチナ情勢をめぐり、周辺国への波及を防止し事態を早期に沈静化させ、人道状況を改善することが重要だとして協調を呼びかけました。

岸田総理大臣は、会談のあとの記者発表で「来月には東京で開かれる、日本とASEAN=東南アジア諸国連合による特別首脳会議にアンワル首相をお迎えする。ASEANとの関係強化のみならず、2国間関係をさらに発展させることを楽しみにしている」と述べました。

マレーシア首相 日本側と協議続けていく

マレーシアのアンワル首相は、岸田総理大臣との会談後の記者発表で「日本との協力強化には、防衛関連の産業や海上警備に関する連携など、日本との安全保障分野の協力も含まれる」と述べ、中国による南シナ海への海洋進出などを念頭に、日本側と協議を続けていく姿勢を示しました。

その上で、12月に東京で開かれる日本とASEAN=東南アジア諸国連合の特別首脳会議までの間に、安全保障やエネルギー分野などの協力で、日本との間で具体的な合意につなげたいとの意向を示しました。

またアンワル首相は、イスラエル軍によるガザ地区への攻撃をめぐり、パレスチナ側を支持する立場を示しつつ、「われわれは日本と立場が異なるが、ガザ地区は空爆によって広島に匹敵するような被害を受けている。日本による地域の和平への関与や、ガザ地区への人道支援を称賛したい」と述べ、原爆が投下された広島を引きあいに出しながら、日本政府の支援を評価しました。