欧米当局 ウクライナに停戦交渉の可能性 協議持ちかけか

ロシアがウクライナへの侵攻を続ける中、アメリカのメディアは欧米の当局者がウクライナに対し、ロシアとの停戦交渉の可能性について協議を持ちかけていたと伝えました。一方、ロシアは東部で攻勢を強め、軍事侵攻を続ける姿勢を強調しています。

アメリカのNBCテレビは4日、アメリカ政府高官などの話として、先月行われたウクライナ支援の会合の場で欧米の当局者がウクライナ政府に対し、ロシアとの停戦交渉の可能性について内々に協議を持ちかけていたと伝えました。

この中では、停戦の合意のためにウクライナ側が何を放棄する必要があるのかなどの概要についても、話があったとしています。

そして、戦況がこう着する中、ウクライナへの軍事支援が継続できるかという懸念が広がっているうえ、イスラエル・パレスチナ情勢によってウクライナ侵攻へのアメリカ国民の関心が大きく低下する中で、この協議が行われたと報じています。

これについてウクライナのゼレンスキー大統領は4日、記者会見で「報道を不快に思う。ロシアと話し合うようにと圧力をかける欧米側の指導者はいない」として、交渉を行う考えはないと強調しました。

一方、ロシア軍は軍事侵攻を続けていてイギリス国防省は4日、「ロシア指導部はわずかな領土獲得のために甚大な人的損失も受け入れる姿勢を示している」としてロシア軍は犠牲をいとわず、東部ドネツク州の拠点アウディーイウカの掌握をねらっていると指摘しています。

また、ロシアのプーチン大統領は4日、ロシアの祝日「民族統一の日」にあわせて首都モスクワで開かれた式典で献花し、その後、集まったボランティアの人たちに対し、「命を危険にさらす人への精神的な支援は重要だ」と述べウクライナの戦闘に参加する兵士をたたえ、侵攻を続ける姿勢を強調しました。