【詳細】ロシア ウクライナに軍事侵攻(5日の動き)

ロシアによるウクライナに対する軍事侵攻が続いています。

ウクライナの各地でロシア軍とウクライナ軍が戦闘を続けていて、大勢の市民が国外へ避難しています。戦闘の状況や関係各国の外交など、ウクライナ情勢をめぐる5日(日本時間)の動きを随時更新でお伝えします。

(日本とウクライナとは7時間、ロシアのモスクワとは6時間の時差があります)

ゼレンスキー大統領 国際社会の関心低下に危機感

ウクライナのゼレンスキー大統領は4日、イスラエル・パレスチナ情勢を受けて、ウクライナに対する国際社会の関心が低下しているとして危機感を示し「これがロシアの目標の1つだ」と述べ、国際社会の支援を受けて難局を打開したいと強調しました。

ウクライナのゼレンスキー大統領は4日、首都キーウを訪問したEU=ヨーロッパ連合のフォンデアライエン委員長と会談し、ともに記者会見を行いました。

この中で、ゼレンスキー大統領は、イスラエル・パレスチナ情勢に関連し「ウクライナへの関心が低下していると気づいている。これは事実だ」と述べ、ウクライナに対する国際社会の関心が低下しているとして危機感を示しました。

その上で「これがロシアの目標の1つだ。われわれは、過去にもウクライナにほとんど関心が払われなかった非常に困難な時期を乗り越えてきたので、今回も乗り越えられると確信している」と述べ、国際社会の支援を受けて難局を打開したいと強調しました。

一方、ゼレンスキー大統領は、今回フォンデアライエン委員長をキーウの鉄道駅でみずから出迎えました。

こうした対応について、在キーウの外交筋はNHKの取材に対し「これまでにない異例の対応だ。最大の支援国アメリカの大統領が訪問した時でさえ、ここまでしなかった」と指摘し、中東情勢を受けたウクライナへの関心低下に対するゼレンスキー大統領の危機感の表れだという見方を示しました。

EU委員長 ウクライナへの支援強調

EU=ヨーロッパ連合のフォンデアライエン委員長は4日、ウクライナの首都キーウを訪れてゼレンスキー大統領と会見しました。

この中で、フォンデアライエン委員長は、ウクライナに対する2027年までの資金支援を加盟国に提案しているほか、近く、ロシアへの追加制裁案を示すなどとしたうえで、「われわれは今後もウクライナにとって公正で長続きする和平を支持する。われわれの支援は揺るぎないものだ」と強調しました。

EU加盟国の中では、スロバキアで先月に発足した政権がウクライナへの軍事支援を停止する方針を表明したほか、欧米メディアはイタリアのメローニ首相がアフリカの要人になりすましていたずら電話をかけたロシア人に対して、ウクライナへの支援などをめぐって「疲れは各方面にあり、出口が必要だと皆が認識するときが近づいている」などと述べたと伝えています。

フォンデアライエン委員長は「ウクライナを必要なかぎり支援する」としてきたEUの立場をキーウに赴いて改めて示した形です。

欧米当局 ウクライナに停戦交渉の可能性 協議持ちかけか

アメリカのNBCテレビは4日、アメリカ政府高官などの話として、先月行われたウクライナ支援の会合の場で欧米の当局者がウクライナ政府に対し、ロシアとの停戦交渉の可能性について内々に協議を持ちかけていたと伝えました。

この中では、停戦の合意のためにウクライナ側が何を放棄する必要があるのかなどの概要についても話があったとしています。

そして戦況がこう着する中、ウクライナへの軍事支援が継続できるかという懸念が広がっているうえ、イスラエル・パレスチナ情勢によってウクライナ侵攻へのアメリカ国民の関心が大きく低下する中で、この協議が行われたと報じています。

これについてウクライナのゼレンスキー大統領は4日、記者会見で「報道を不快に思う。ロシアと話し合うようにと圧力をかける欧米側の指導者はいない」として交渉を行う考えはないと強調しました。

英国防省「ロシア 領土獲得のため甚大な人的損失受け入れ姿勢」

イギリス国防省は4日「ロシア指導部はわずかな領土獲得のために甚大な人的損失も受け入れる姿勢を示している」としてロシア軍は犠牲をいとわず、東部ドネツク州の拠点アウディーイウカの掌握をねらっていると指摘しています。

プーチン大統領 兵士たたえ 侵攻続ける姿勢強調

ロシアのプーチン大統領は4日、ロシアの祝日「民族統一の日」にあわせて首都モスクワで開かれた式典で献花し、その後、集まったボランティアの人たちに対し「命を危険にさらす人への精神的な支援は重要だ」と述べウクライナの戦闘に参加する兵士をたたえ、侵攻を続ける姿勢を強調しました。