岸田首相 フィリピン議会で中国念頭に国際秩序維持へ連携訴え

フィリピンを訪れている岸田総理大臣は議会で初めて演説し、中国の海洋進出を念頭に、法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序の維持に向けて連携強化を訴えるとともに、12月に東京で開くASEANとの特別首脳会議で共同のビジョンを打ち出す意向を明らかにしました。

岸田総理大臣は、4日にフィリピン議会の上下両院の合同セッションで、日本の総理大臣として初めて演説しました。

この中で、岸田総理大臣は「現在、国際社会は歴史的な転換点にあり、法の支配に基づく国際秩序は重大な危機にさらされている。国際社会を分断と対立ではなく協調に導き、自由と法の支配を守り抜く取り組みを前進させる決意を共有したい」と訴えました。

そのうえで、中国が海洋進出の動きを強めていることを念頭に、フィリピンに新たな支援の枠組みを通じて、沿岸監視レーダーを供与することで合意したことに触れ、今後も安全保障分野で協力を深めるとともに、アメリカを含めた3か国の連携を強化する方針を示しました。

また、12月に東京で開くASEAN=東南アジア諸国連合との特別首脳会議で、持続可能で繁栄した新たな時代をつくるためのビジョンを打ち出す意向を明らかにするとともに、アジアの脱炭素化に向け、あわせて「アジア・ゼロエミッション共同体」の首脳会合も開催し、協力を進める考えを強調しました。