【詳細】ロシア ウクライナに軍事侵攻(4日の動き)

ロシアによるウクライナに対する軍事侵攻が続いています。

ウクライナの各地でロシア軍とウクライナ軍が戦闘を続けていて、大勢の市民が国外へ避難しています。戦闘の状況や関係各国の外交など、ウクライナ情勢をめぐる4日(日本時間)の動きを随時更新でお伝えします。

(日本とウクライナとは7時間、ロシアのモスクワとは6時間の時差があります)

“東部ではロシアが阻まれる 南部ではウクライナがとどまる”

ロシア軍は、ウクライナ東部ドネツク州の拠点アウディーイウカの掌握をねらって、兵士の犠牲もいとわず攻撃を繰り返す一方、ウクライナ軍は、南部のザポリージャ州などで反転攻勢を続けています。

イギリス国防省は3日、アウディーイウカ周辺ではロシア軍の攻撃がウクライナ側の強固な防衛に阻まれている一方で、南部では逆にウクライナ軍の部隊が、ロシア側が周到に準備した防御陣地でとどまっていると指摘しました。

その背景として、双方とも防空能力を維持していることや、1200キロに及ぶ戦線を維持するために大半の兵力が必要となり、突破口を開く部隊の編成に苦労していることをあげています。

プーチン大統領 ウクライナの占領地域 既成事実化急ぐ考え示す

ウクライナがことし6月に反転攻勢を開始して5か月となるものの、こう着した状況が続く中、ロシアのプーチン大統領は3日、首都モスクワで政府の諮問機関との会合を開きました。

この中でプーチン大統領は、去年9月に一方的に併合を宣言したドネツク州やザポリージャ州などウクライナ東部と南部の4つの州について、「住民が、ロシア領になった恩恵をできるだけ早く実感できるようにすべきだ」と述べ、占領地域の既成事実化を急ぐ考えを示しました。

また、9年前にウクライナ南部クリミアを一方的に併合したことにも触れ、「ウクライナときょうだいのような関係ができていれば、クリミアに関連するような行動など誰も思い浮かばなかっただろう」と主張しました。

防空警報出される中 無観客でサッカーの「ウクライナダービー」

ウクライナの首都キーウ市内にあるスタジアムで3日、ウクライナのプロサッカーの「プレミアリーグ」でいずれも高い人気を誇る強豪チーム、ディナモ・キーウとシャフタール・ドネツクの対戦が行われました。

試合は、ロシアによる軍事侵攻の犠牲者に黙とうをささげてから始まりました。

ロシア軍によるミサイル攻撃などで防空警報が頻繁に出されるため、会場には一般の観客を入れずに行われました。

ただ、「ウクライナダービー」とも呼ばれる伝統の対戦とあって、スタジアムの隣の高台には多くのファンが集まり、白熱した一戦に盛んに声援を送っていました。

結局、試合はシャフタール・ドネツクが後半にあげた1点を守り切って勝ちました。

会場の外に集まったファンの1人で兵士の男性は「まもなく前線に戻ります。試合を観戦できる大事な機会なので来ました」と話していました。

シャフタール・ドネツクのタラス・ステパネンコ選手は「戦地にいる兵士も見ていると思います。この状況でサッカーができることを誇りを感じています」と話していました。