米10月雇用統計 就業者市場予想下回る 労働市場ひっ迫緩む傾向

アメリカの10月の雇用統計が発表され、農業分野以外の就業者は前の月より15万人増加しました。市場予想を下回り、労働市場のひっ迫が緩む傾向が示された形です。

アメリカ労働省が3日発表した、10月の雇用統計によりますと、農業分野以外の就業者は前の月より15万人増加しました。

17万人程度の増加を見込んでいた市場予想を下回りました。

また失業率は前の月と比べて0.1ポイント上昇し、3.9%となりました。

労働者の平均時給は
▽前の年の同じ月と比べ4.1%、
▽前の月と比べて0.2%、
それぞれ増加したものの、いずれも市場予想とほぼ同じ水準で、ピーク時と比べて落ち着く傾向となっています。

インフレの要因となってきた人手不足や賃金の上昇など労働市場のひっ迫が緩む傾向が改めて示された形です。

FRB=連邦準備制度理事会のパウエル議長は、追加の利上げを行うかどうかは労働市場の動向が重要だという考えを繰り返し示しています。

今回の統計を受けて市場では、FRBが12月に開く会合で、3会合連続で利上げを見送るという観測が強まっています。

NY市場 円相場 一時 149円台前半まで値上がり

アメリカの10月の雇用統計を受けて、3日のニューヨーク外国為替市場では円がドルに対して買われて円相場は一時、1ドル=149円台前半まで値上がりしました。

就業者数の伸びが市場の予想を下回り、インフレ圧力が弱まったとの見方から、金融引き締めが長期化するとの懸念が和らぎ、これまで売られていた円を買い戻す動きが強まりました。