江東区長選挙前 柿沢氏側からの現金は「陣中見舞」区議が説明

ことし4月に行われた東京 江東区の区長選挙の前に、複数の区議会議員がこの地域を地盤とする柿沢未途衆議院議員の関係者から現金を受け取っていたことがわかり、このうちの1人がNHKの取材に対し、「同じ時期に行われた区議会議員選挙の陣中見舞いとして1万円を受け取った。その場で区長選での支援は求められていない」などと当時の状況を説明しました。
この選挙をめぐっては、東京地検特捜部が公職選挙法違反の疑いで捜査を進めていて、資金の動きや趣旨について調べを進めるものとみられます。

自民党の柿沢衆議院議員は、地元・江東区の木村弥生区長がことし4月の区長選挙で違法な有料広告を出したとして東京地検特捜部の捜査を受けていることをめぐり、先月31日、「有料広告の利用を勧めた責任をとりたい」として法務副大臣を辞任しました。

保守分裂の構図となったこの区長選では、木村区長を支援したとされる柿沢議員の関係者が選挙前、一部の区議に現金を渡していたことが明らかになっていて、NHKの取材に対し、複数の区議が同じ時期に行われた区議選の陣中見舞いとして現金を受け取ったとしています。

このうち、鬼頭達也区議は「4月、区議選の事務所開きに柿沢議員らが訪ねて来て、『陣中見舞い』として1万円が入っている封筒を受け取り、適切に処理した。このひと月ほど前に『区長をよろしく』と言われたことはあったが、この場で区長選での支援は求められていない」と説明しました。

公職選挙法は選挙で特定の候補者を当選させたり、落選させたりする目的で有権者や選挙運動員に金銭などを渡すことを禁じていて、柿沢議員の関係者もNHKの取材に対し、「陣中見舞いであり買収ではない」として違法性を否定しています。

特捜部は有料広告の掲載の経緯や、選挙をめぐる資金の動きや趣旨についても調べを進めるものとみられます。