米下院 共和党提案イスラエル支援限定の予算案可決 今後紛糾も

アメリカのバイデン大統領が議会に対して、ウクライナとイスラエルを支援するための緊急予算を求める中、議会下院は野党・共和党が提案したイスラエル支援に限定した予算案を可決しました。バイデン大統領はこれを認められないという考えを示していて、今後、支援をめぐって議会が紛糾することも予想されます。

アメリカ議会下院で多数派の野党・共和党は2日、イスラム組織ハマスとの戦闘が続くイスラエルに対する支援としておよそ140億ドル、日本円にして2兆円を超える予算案を提出し、議会は賛成多数でこれを可決しました。

バイデン大統領は先月、イスラエルだけでなく、ロシアによる軍事侵攻が続くウクライナに対する支援も含めた1000億ドル以上の緊急予算を議会に要請していましたが、共和党は「慎重な検討が必要だ」などとしていて、イスラエル支援だけを切り離した形です。

共和党内の一部の保守強硬派はこれまで、ウクライナ支援に対して否定的な見方を示しています。

ホワイトハウスのカービー戦略広報調整官は2日の記者会見で、「バイデン大統領はすべてが国の安全保障にとって緊急で重要だと考えている」と述べています。

バイデン大統領はイスラエル支援のみの予算案について、例え、上院で可決されても拒否権を行使する考えだと強調していて、今後、議会が紛糾することも予想されます。