「タムロン」前社長と元社長が1億6000万円余りを私的に流用か

東証プライム市場に上場するカメラ用レンズメーカーの「タムロン」は、弁護士などによる特別調査委員会の調査報告書を公表しました。
報告書では、前の社長とその前任の元社長の2人が女性を伴ったり単独で行ったりした飲食であわせて1億6000万円余りを私的に流用し、会社に負担させていたと指摘しています。

会社が2日、公表した特別調査委員会の調査報告書によりますと、ことし8月に辞任した鯵坂司郎 前社長と、その前任の小野守男 元社長が会社の経費を私的に流用し、女性を伴ったり、単独で行ったりした飲食の費用を会社に負担させていたということです。

金額は2013年度以降で鯵坂前社長が3000万円余り、小野元社長が1億3000万円余りになるとしています。

調査に対し小野元社長は「社長業の重圧によるストレスを解消するための必要経費だった」と説明し、相談役になってからもこうした費用を会社負担にできる理由について、「会社の経営に口出しをすることを我慢することにより生ずるストレスを発散する必要があった」と弁明したということです。

報告書は「仕事というものは大なり小なりストレスを伴うものであり、その発散は個人の費用で賄うべきものであって、社長だから会社経費にできるというに及んでは開いた口がふさがらない」と厳しく批判し、再発防止のため役員に対して地道に倫理研修を実施するよう促しています。