柿沢議員の関係者 一部区議に現金渡したか 江東区長選挙の前

2023年4月に行われた東京・江東区の区長選挙の前に、この地域を地盤とする柿沢未途衆議院議員の関係者が一部の区議会議員に現金を渡していたことが関係者への取材でわかりました。

柿沢議員はこの選挙で、有料広告掲載をめぐる公職選挙法違反の疑いで東京地検特捜部が捜査している木村弥生区長を支援したとされていますが、柿沢議員の関係者はNHKの取材に対し、「同じ時期に行われた区議会議員選挙の陣中見舞いで、区長選への支援を求めたわけではないので、買収にはあたらない」としています。

江東区の木村区長は初当選した2023年4月の区長選挙の期間中、YouTubeに自身への投票を呼びかける有料広告を出していたとして、東京地検特捜部が公職選挙法違反の疑いで強制捜査に乗り出した2日後に辞職届を提出し、地元選出の自民党の柿沢衆議院議員も有料広告の利用を勧めた責任をとりたいとして、10月31日に法務副大臣を辞任しました。

いわゆる「保守分裂」の激しい選挙戦となったこの区長選で、柿沢議員は木村区長を支援したとされていますが、選挙前に柿沢議員の関係者が一部の江東区議会議員に現金を渡していたことが、関係者への取材でわかりました。

公職選挙法は選挙で特定の候補者を当選させたり落選させたりする目的で有権者や選挙運動員に金銭などを渡すことを禁じています。

柿沢議員の関係者はNHKの取材に対し、「同じ時期に行われた区議選の陣中見舞いだ。適切に処理しており、区長選への支援を求めたわけではないので買収にはあたらない」としています。

特捜部は有料広告が掲載されたいきさつなどとともに、2023年4月の選挙をめぐる資金の動きや趣旨などについても調べを進めるものとみられます。